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なぜコンクリートの内部検査にはX線が最適なのか?

 

コンクリートの内部検査の種類

 
コンクリート内部検査には、非破壊検査が用いられます。

非破壊検査には、赤外線を用いたコンクリートの表面温度を測る方法、カメラを用いたコンクリートの表面を撮影する方法、レーザーによる反射波の高密度撮影を用いた方法、打音による打撃音の振幅と周波数を測る方法、衝撃弾性波による弾性波速度と周波数を測る方法、超音波を用いた超音波速度・周波数・回析波の位相を測る方法、電磁誘導による磁性体の有無・大きさ・磁束の変化を測る方法、電磁レーダーを用いた電磁波の反射波を測る方法、X線を用いたX線の透過量を測る方法があります。

代表的なものとしては、X線レントゲン内部検査と電磁波レーダー内部検査が挙げられます。

■■■■■ 非破壊検査の種類 ■■■■■

・赤外線を用いたコンクリートの表面温度を測る方法
・カメラを用いたコンクリートの表面を撮影する方法
・レーザーによる反射波の高密度撮影を用いた方法
・打音による打撃音の振幅と周波数を測る方法
・衝撃弾性波による弾性波速度と周波数を測る方法
・超音波を用いた超音波速度・周波数・回析波の位相を測る方法
・電磁誘導による磁性体の有無・大きさ・磁束の変化を測る方法
・電磁レーダーを用いた電磁波の反射波を測る方法
・X線を用いたX線の透過量を測る方法

 

電磁波レーダー内部検査について

電磁波レーダー内部検査とは、電磁波をコンクリート内部に照射して、反射波を画像化して行う解析方法です。

基本的には、飛行機などの位置を特定するレーダーと原理は同じです。

電磁波をコンクリート内部に照射して、電気的性質(比誘電率、導電率)の異なる物質により反射して戻ってくる反射波を画像化して解析を行います。

その伝播時間から反射物体までの距離を計算し、その位置を特定します。

レーダー検査はX線検査より費用が割安ですが、鉄筋コンクリートの場合は空洞やCD管などからの弱い反射波を識別することが非常に困難なため、アンカー打ち込み部の鉄筋の位置出しなどに用いられます。

コンクリートでは、浅い部分の鉄筋等の真後ろ(真下)に関しては、死角となってしまいます。

探査範囲としては、機種によって異なりますが、10m以下/回のデータ採取が可能です。

1日の作業量としては、コア抜き等の部分検査の場合は25~30箇所/日程度です。

安全性については、特に人体への影響はありません。周辺機器への影響としては、パソコン等の機器に影響はありません。
 
 

X線レントゲン内部検査について

 
X線レントゲン内部検査とは、X線発生装置からX線を照射して、コンクリート裏面に貼ったフィルムにコンクリート内部を映し出す解析方法です。

人が骨折したときに撮るレントゲン写真と原理は一緒です。

人の身体を透過撮影するように、壁・スラブ等のコンクリートの内部にある鉄筋や電配管などの埋没物の位置を写真にして確認することができます。

現場の“その場”で即時に現像し、鉄筋・電配管・CD管などの位置を確認できるため、安心して、ダイアモンド穿孔(コア抜き)工事やアンカー工事を行うことが可能です。

その他としては、コンクリートの厚さは400mm程度まで探査可能ですが、正確に探査できるのは、厚さ300mmまでとなっています。

ただし、電線管より太い鉄筋または、鉄筋が並列している場合には、鉄筋等の真後ろ(真下)に関しては、死角となってしまいます。探索範囲としては、フィルム1枚当たりの探査有効範囲は200×175mmです。

1日の作業量としては、コア抜き等の部分撮影の場合は10~15枚/日で、広範囲の連続撮影の場合は40~50枚/日となります。
 
安全性については、X線による被爆防止のため、照射時のみ5m以内が立入禁止となります。
 
 

X線レントゲン内部検査の有効性

 
これらの検査は、コンクリート構造物内などの鉄筋・配管(水道管、電気配線)の有無の検査として行われます。

検査としては、電線管検査の場合は、現状として確実なものはX線以外のものはありません。

鉄筋探査の場合には、X線・レーダーともに一長一短ですが、鉄筋径の測定が必要な場合や複雑な配筋のときには、電磁波レーダー内部検査とX線レントゲン内部検査の比較結果からもわかるようにX線の方が効果的です。

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