当社ではX線を用いた方法で、コンクリートの内部を調査しています。
というのも、電磁波レーダーを用いた非破壊検査と比べてX線撮影法のほうが鮮明な実画像で分析できる利点があるためです。
X線撮影法は一般的に「レントゲン検査」と呼ばれていますが、建築業界でも「レントゲン検査」や「エックス線調査」などと呼んでいます。
ただ、そのレントゲン検査でも条件によっては調査(探査)ができないこともあります。
ここでは、どのような場合にレントゲン検査ができないかをご紹介していきたいと思います。
1,フィルムを貼るスペースがない場合
ご存知のようにレントゲンの検査では、フィルムに投影させて現像をすることになります。
フィルムをX線が放射される機器の反対側に貼り付けて、そのフィルムにX線が照射されます。
例えるのであれば、ペンキのついたボールを壁に投げるようなものです。
フィルムという壁に向かってペンキのついたボールであるX線を当てて、その痕跡を残すのです。
X線の反対側にフィルムを配置する必要がありますので、フィルムを貼るスペースが絶対に必要となってきます。
逆に言えば、土間の調査は地面に向かってX線を照射することになるので反対側にフィルムを貼れない為、レントゲン検査をおこなうことができません。その際は、電磁波レーダーでの探査で対応しています。
貼り付けるフィルムのサイズは270mm×320mmで、最低でもこのスペースが無いと作業は出来ないことになります。
また、フィルムを折り曲げて貼り付けることも出来ません。
他にも、天井内での作業の際に点検口が無かったり、天井解体が出来ない場合など、フィルムを貼るスペースが無いと同様になります。
2,X線発生器を設置するスペースがない場合
前項のフィルムを貼るスペース同様、そもそも発生器を設置するスペースが無ければ作業することは出来ません。
撮影場所から、発生器設置するためには基本的には1m以上のバックスペースが必要です。
例えば、狭いパイプシャフトや天井内など発生器が設置できない場合は作業ができないことがあります。
また、3,500mm以上の高所の場合は、事前に足場の設置や高所作業車の準備をお願いしております。
タワーマンションの外壁調査など、フィルム貼付けの為にゴンドラの手配をお願いすることもあります。
3,雨天時の濡れた外壁の場合
X線の特性上、濡れた場所でのレントゲン検査は出来ません。
雨が降っている時の外部撮影は出来ない場合もあります。
撮影箇所が雨で濡れているとフィルムが貼れないので作業ができないことがあります。発生器設置側にもメモリを刻んだ円形の定規であるターゲット(ゲージ)を壁に貼り付ける必要がある為、同様になります。
4,コンクリートの厚みが300mmを超える場合
コンクリートの厚みが300mmm以上の場合は、安全面でお断りさせていただくことがあります。
X線の照射時間は材質や厚みで変わってくるのですが、一般的には200mm以下で20秒、300mm以下では最長約3分かかることがあります。
ただ、これ以上の厚みになってくるとフィルムの判別が非常に難しくなり、埋設配管の損傷など事故の要因となります。
もちろん、300mm以上のコンクリーでも厚みが300mm以下になるように削り出せば、レントゲン検査をすることができます。
この場合は、コア抜きと併用した技術が必要になるのですが、当社では自社で対応可能ですのでご相談ください。
まとめ
X線レントゲンの検査は特殊な機器を用いての作業になりますので、条件によってはお断りさせていただくことがあります。
ただ、当社ではこれまでの長年の実績と経験から一般的には難しいとされている場所でのレントゲン検査も可能にしてきました。
お見積りの際に詳しくご説明させていただきますので、お気軽にご相談ください。