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検査のためのコアボーリングがあるのをご存知ですか?

貫通孔は最初からあるのがスリーブ、後からの貫通孔はコア抜き

 

建物や壁には建設の時に、電気・空調設備の配線や、配水管などを通すための貫通孔をあらかじめ設置します。

これを「スリーブ」と呼んでいます。

スリーブ工事はコンクリートを打設する前に穴を開けたい箇所に筒状の管や樹脂製のスリーブ管を設置し、そこに生コンクリートを流し込み、コンクリートが固まったらその管を取り除くことでスリーブが作られます。

貫通している穴のため躯体の強度の低下が考えられる場合には、スリーブの周辺には補強の鉄筋を取り付け補強を行います。

しかし、建築後になってから、スリーブのような貫通孔が必要になることが多々あります。

そのような時に、貫通孔を作るためにコアボーリングという施工を行います。

コンクリートのコアボーリングは、「コア抜き」や「コア穿孔」とも呼ばれ、コンクリートに円筒形の穴をあけることをいいます。

一般的には、コアボーリングで穴をあける理由としては、エアコンの室外機のドレンホースや冷媒配管などを通す穴や上下水の水道管を通す穴、電気ケーブルを通す穴などのためにコア抜きを行います。

 

テストピース(供試体)を取るためのコア抜き

 

例外的にでありますが、「コンクリート検査のためにコアボーリング」を行うこともあります。

生コンクリートでは空気量や塩化物含有量を検査することがありますが、固まった後のコンクリートである、硬化コンクリートも経年劣化による劣化具合などを検査することがあります。

その硬化コンクリートのテストピースを採取するときに、コアボーリングで一部分を供試体として取り出します。

具体的には、ボーリングを最後まで貫通させず、20cmほどのところでボーリング機器を引き抜き、ボキッと折り、円柱形のものを供試体として使用します。

硬化コンクリートの検査試験の種類は、強度、中性化試験、密度や重量あたりの乾燥度をみる試験などがあります。

ここではメインとして行われる試験を取り上げてみます。

 

硬化コンクリートの強度試験

1,圧縮試験

コンクリートの圧縮強度は、コンクリートがどれだけの圧縮力に耐えられるかを示したものです。
アムスラーという試験機で試験体に上下から圧縮力を加えてどこまで破壊せずに持ちこたえることができるかをテストするものです。
支圧強度という指標もありますが、これは圧縮荷重を受ける際、耐えられる最大圧縮荷重を荷重作用面積で除した値で、圧縮試験の数値をもとに計算で出される事が一般的です。

2,引張試験

圧縮試験とは逆方向の力を試験体に加えて、破壊するときの強度を計測します。コンクリートは圧縮方向の力より引張方向の力のほうが弱く圧縮強度の1/10〜1/13程度と言われます。

3,曲げ強度

供試体の3点に曲げ方向になるように荷重をかけて、最大曲げモーメントを計測します。

4,せん断試験

供試体の断面に正反対の方向から荷重をかけて、せん断力を加えます。その作用面ですべり破壊を生じさせてその抵抗する最大応力を計測します。

5,付着強度

付着強度とは、コンクリートは鉄筋に硬化時に付着することで躯体全体の強度を増します。その鉄筋の付着する力を付着力と呼びます。試験ではコンクリートに埋め込んだ鉄筋の引き抜きや押し抜き力を作用させてその最大値から算出されます。

6,疲労強度

コンクリートは動的な強い力で破壊するだけでなく、静的な小さな力が繰り返し起こることでも破壊に至ることがあります。
試験では繰り返し応力を与え続け、破壊するまでの回数を計測します。

 

硬化コンクリートの中性化試験

 

コンクリートはアルカリ性で中の鉄筋を保護する役割も持っています。
しかし、経年劣化や酸性雨などでコンクリートが中性化され、内部の鉄筋が錆びやすくなります
試験方法は、フェノールフタレイン溶液を供試体に噴霧し、赤紫色に変色する部分を未中性化部、変色しない部分を中性化部と判断します。

 

試験体を取り出すためのコアボーリングの流れ

1,鉄筋検査

建物や躯体の内部に鉄筋の有無を調べます。
コアボーリングで鉄筋を傷つけてしまうと、強度に問題が出ることがあるため、あらかじめ鉄筋探査やX線探査でコンクリート内部の鉄筋の状態を調べます。

2,コア採取

水を用いいた湿式のボーリングでコア抜きを行います。

3,補修・仕上げ

試験体を搾取した後は、円筒形の穴が空きます。その穴をコンクリートで埋めて、元の状態に戻します。

 

最後に

当社では、鉄筋検査などの試験は行なっていませんが、レントゲンによる内部調査からコアボーリング、補修・仕上げまでを承っております。
気になる点などがございましたら、お気軽にお問合せください。

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