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アスベスト含有建材 レベル1について

アスベスト含有建材は飛散のリスクに応じてレベル1から3に分類されています。

レベル1は最も飛散しやすい吹付け材を中心に、レベル2は板状や成形品で加工時に粉じんが発生しやすいもの、レベル3は比較的飛散しにくい非飛散性建材とされています。

特にレベル1に分類される建材は、解体や改修時に空気中に繊維が舞いやすいため、特別な注意を払っています。

今回は、レベル1に該当する代表的な吹付け材の種類とその歴史的背景を、現場目線でわかりやすく解説していきます。

日常の業務で安全を確保するための参考にしていただければ幸いです。

レベル1の建材の特徴

レベル1の建材は、主に吹付けアスベスト含有材を指し、飛散性が高いグループとして分類されています。

これらは建物内の天井や壁、柱、梁などの鉄骨・コンクリート面に直接吹き付けられ、耐火性能の向上や断熱・吸音効果を目的に使用されてきました。

石綿の繊維が空気中に浮遊しやすいため、解体・改修時には特別な措置が求められます。

過去の建築基準では、アスベストが安価で優れた性能を持つ素材として重宝され、特に1970年代から1980年代にかけて多くの建物に採用されました。

レベル1の建材は、石綿の含有量や施工時の工法(乾式・半乾式・湿式など)によって細かく分けられますが、共通するのは「吹付け」という施工方法です。

この工法により、素材が基材に強く密着する一方で、劣化や衝撃で剥がれ落ちやすく、粉じんが発生しやすい点が最大の課題です。

現場では、これらの建材に遭遇した際、まず目視による確認から始めますが、外観だけでは石綿の有無を判断できないことが多いため、専門機関による分析調査を徹底しています。

分析結果が出るまでは、作業を控え、飛散防止措置を講じるのが基本です。

また、建築年次によって、これらの建材が使用されている可能性が高い時期を把握することも重要です。

例えば、昭和50年(1975年)以前の建物では高濃度の吹付け石綿が一般的で、昭和55年(1980年)以降も一部の工法で残存していたケースも確認されています。

こうした歴史的背景を踏まえ、レベル1建材の特徴を正確に理解することで、リスクを最小限に抑えた安全な作業環境を整えています。

吹付け石綿と乾式石綿含有吹付けロックウール

吹付け石綿は、クリソタイル・クロシドライト・アモサイトを主な基材とし、工場でセメントと混合したものが使用されています。

解綿圧送吹付け機を使い、水やセメントスラリーを霧状に混合しながら鉄骨・コンクリート・ボード面に吹き付け、耐火・断熱性能を確保していました。

この工法は密着性が高く、多くの建物で採用されていました。

乾式工法の石綿含有吹付けロックウールは、石綿とロックウールをセメントなどで混ぜ、霧状の水を加えて同様に吹き付けます。石綿を少量添加することで脱落を防いでいました。

1975年(昭和50年)の特化則改正で5重量%を超える石綿の吹付けが原則禁止となり、それ以下の量を混入したロックウールが主流となりました。

1980年(昭和55年)にはロックウール工業会の自主規制により、会員メーカーが石綿含有製品の使用を中止し、無石綿のロックウールへ移行しました。

ただし、非会員メーカーや在庫品の影響で、1980年代前半まで施工されている可能性もあります。

現場では、建築年次を確認し、特に1975年以前の建物で高濃度吹付け石綿、1980年頃までの建物で少量含有ロックウールのリスクを想定しています。

半乾式と湿式石綿含有吹付けロックウール

半乾式工法(半湿式とも呼ばれる)は、クリソタイルとロックウールを基材とし、セメントスラリーを別途圧送してノズル先で混合しながら吹き付けます。

材料は空気圧送、セメントスラリーはポンプ圧送で施工され、1980年代後半に普及しました。

この時期以降、石綿を含有した半乾式吹付けは原則存在しませんが、施工年次によっては念のため確認を怠りません。

湿式工法では、ロックウールを主基材とし、一部でパーライトやバーミキュライトを添加します。

現場でモルタルミキサーを使い、セメントと水を混練りしてモルタル状にし、圧送管とホースでノズル先から空気圧で吹き付けます。

石綿含有吹付けロックウールは、断熱・吸音効果が高く、さまざまな部位で使用されました。

石綿の添加は1990年(平成2年)頃まで確認されており、1995年(平成7年)頃までは使用されている可能性を前提とした調査が望ましいとされています。

その他の石綿含有吹付け材

レベル1には、吹付けバーミキュライト、吹付けパーライト、耐火壁用の吹付け材も含まれます。

吹付けバーミキュライトは軽量骨材として断熱・吸音・不燃性に優れ、セメントなどが結合材に吹き付けられています。

無機系(セメント・プラスター混合)と有機系(特殊バインダー使用)の工法があり、電着工法では静電気を利用して施工されていました。

代表製品に「ミクライトAP」「ソノライト吹付け」「バーミックス AP」などがあります。

不純物由来や剥落防止のための意図的な石綿添加が見られ、特にアメリカ・モンタナ州産バーミキュライトは角閃石系繊維を含むため注意が必要です。

吹付けパーライトは、昭和30〜50年代のRC造集合住宅の天井仕上げに多く用いられ、吸音・断熱・結露防止を目的としていました。

製品例として「アロック」「ダンコートF」が代表的です。人工軽量骨材のパーライトを基材にセメントで吹き付け、軽量で施工しやすい特徴がありました。

耐火壁では、軽量鉄骨下地にせっこうラスボードを固定し、バーミキュライトプラスターや岩綿モルタルを両面または片面に吹き付けることによって耐火・遮音性能が確保されています。

これらは、中高層ビルの間仕切り壁でプレハブ化・軽量化を目的に開発された工法で、外観からは石綿の有無を判断しにくいため、建築年次を考慮し、分析調査を実施する必要があります。

まとめ

レベル1のアスベスト含有吹付け材は、飛散性が高いため、現場での正確な把握と慎重な対応が不可欠です。

  • 吹付け石綿と乾式ロックウールは1975年規制後も一部残存の可能性があり、特に1970年代以前の建物で高濃度含有に注意。
  • 半乾式と湿式ロックウールは1980年代以降の施工で石綿が少ない傾向にあるが、1990年代前半まで添加例があるため年代別に確認する。
  • 吹付けバーミキュライト、パーライト、耐火壁用素材は断熱・吸音・耐火性能に優れ、意図的または不純物としての石綿含有が懸念されるため、分析調査が推奨される。

これらの知識を基に、事前調査と飛散防止措置を強化することで、作業員の健康を守りながら工事を進めて参ります。

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