【引用】
大気汚染防止法
(解体等工事に係る調査及び説明等)
第18条の15(中略)
2、解体等工事の発注者は、当該解体等工事の元請業者が行う前項の規定による調査に要する費用を適正に負担することその他当該調査に関し必要な措置を講ずることにより、当該調査に協力しなければならない。3、解体等工事の元請業者は、環境省令で定めるところにより、第一項の規定による調査に関する記録を作成し、当該記録及び同項に規定する書面の写しを保存しなければならない。
4、解体等工事の自主施工者(解体等工事を請負契約によらないで自ら施工する者をいう。以下同じ。)は、当該解体等工事が特定工事に該当するか否かについて、第一項の環境省令で定める方法による調査を行うとともに、前項の環境省令で定めるところにより、当該調査に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
5、解体等工事の元請業者又は自主施工者は、第一項又は前項の規定による調査に係る解体等工事を施工するときは、環境省令で定めるところにより、前二項に規定する記録の写しを当該解体等工事の現場に備え置き、かつ、当該調査の結果その他環境省令で定める事項を、当該解体等工事の現場において公衆に見やすいように掲示しなければならない。
6、解体等工事の元請業者又は自主施工者は、第一項又は第四項の規定による調査を行つたときは、遅滞なく、環境省令で定めるところにより、当該調査の結果を都道府県知事に報告しなければならない。
(1)解体や他の工事に関する調査への協力
特定の工事にあたるかどうかを調べる際に、解体や他の工事を依頼する人の意向が重要になります。特定工事の調査が適切に行われるように、解体や他の工事を発注する方は、元請け業者が行う調査にかかる費用を適切に負担しなければなりません。必要な措置を講じ、当該調査に協力する義務があります。
(2)事前調査に関する記録
解体や他の工事を行う元請け業者や自主的な施工者は、事前調査に関する記録文書を作成し、解体や他の工事が終了した日から3年間、それを保管しなければなりません。また、建物の解体、改築、または修理に伴う建設工事の一環として、書面による調査や、現地での目視調査が行われた場合(ただし、2006年9月1日以降に建てられた建物を除く)、その調査を行った者が、調査者等の条件に当てはまる事を証明する書類の写しを、調査記録と共に保管しなければなりません。
「調査者等の条件に当てはまる事を証明する書類」とは、該当者が登録規程に従って講習を修了したことを示す、講習実施機関発行の講習修了証をいいます。一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録された者は、協会から発行される登録証が該当します。また、事前調査に関する記録や、調査者の資格を示す書類は、電子データで保存することも可能です。
記録事項について「解体等工事に係る建築物等の概要」は、鉄筋コンクリート、鉄骨造、木造などの建物の構造、階数、延床面積などを指します。また「解体等工事に係る建築物等の工事に着手した年月日」については、工事の正確な年月日まで判明しない場合もあるため、平成18年(2006年)9月1日以降に建てられた建物かどうかを確認できる程度の情報があれば十分です。
ただし、解体等工事の自主施工者である個人(解体等工事を専門に行う業者を除く)は、記録方法に特例があります。
建築物の改造や補修に関する作業において、粉じんがほとんど排出または飛散しない小規模な建設工事を特定工事とみなして実施する場合は、工事が開始される前に、該当工事に関連する建物の一部の写真を撮影し、作業の進行状況と一緒に設計図や、他の文書とともに保存するなど、簡単な方法で事前調査に関する記録を作成、および保存することができます。
(3)解体等工事に関する掲示
解体等工事の元請け業者や自主施工者で調査を行った者は、該当の工事を実施する際、調査結果に関する情報を公開しなければなりません。これは、掲示板を設置することによって行い、掲示内容には、調査を行った者の氏名、または名称と住所(法人の場合、代表者の氏名も含む)、調査の終了日、調査方法、および解体等工事が特定工事に該当する場合、特定粉じん排出等作業の対象となる建築物の一部における特定建築材料の種類が含まれます。これらの情報は、工事現場で一般の人々に見やすい位置に掲示しなければなりません。
この掲示に関しては、規格JIS A列3番の用紙に準拠した、縦42.0センチメートル以上、横29.7センチメートル以上の掲示板を使用することが求められています。ただし、具体的なフォーマットは指定されておらず、他の法令に基づく掲示に追加情報として表示する形式でも問題ありません。また、他の法令に基づく掲示と内容が重複する場合、その内容を再度表示する必要はありません。