創意工夫と確かな技術で未来につなげる

アスベスト関連法規 大気汚染防止法12

【引用】

大気污染防止法

(特定粉じん排出等作業の結果の報告等)
第十八条の二十三 
1 特定工事の元請業者は、当該特定工事における特定粉じん排出等作業が完了したときは、環境省令で定めるところにより、その結果を遅滞なく当該特定工事の発注者に書面で報告するとともに、当該特定粉じん排出等作業に関する記録を作成し、当該記録及び当該書面の写しを保存しなければならない。
2 特定工事の自主施工者は、当該特定工事における特定粉じん排出等作業が完了したときは、環境省令で定めるところにより、当該特定工事における特定粉じん排出等作業に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。

出典:大気汚染防止法第18条の23|e-Gov法令検索

1,特定工事における特定粉じん排出作業等の結果報告

元請業者による特定工事の発注者への報告は、特定粉じん排出等の作業が完了した時点(建築物の特定建築材料が使用されている部分の解体、改造、または補修が完了した時点)で、遅滞なく行うことが求められています。特に、特定粉じん排出作業の完了と工事全体が完了するタイミングが異なる場合でも、特定粉じん排出作業が終了した時点ですぐに報告が必要です。この報告は、電子データで提出することも認められています。

報告内容としては、以下の4点になります。

1)特定粉じん排出等の作業が完了した年月日
2)作業の進捗状況の概要
3)特定建築材料の取り外しや、囲い込みの完了確認を行った者の氏名
4)上記の該当作業の確認に必要な知識を有していること

特定粉じん排出等の作業の実施状況については、法第18条の15第1項に基づき、法第18条の19および作業基準に従い、作業が適切に完了したかどうかの説明が必要になります。
なお、異常が発生した場合や説明と異なる対応が行われた場合には、詳細な情報を報告します。必要に応じて作業の進捗状況を確認できる写真などを使用すると、より細かな状況が伝わりやすいでしょう。

また、「確認に必要な知識を有する」の定義は、具体的に言うと「確認を行った者が登録規程に基づく講習や石綿作業主任者技能講習を受講した者」または「一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録された者」となっています。

この報告書は特定工事が終了した日から3年間保存する必要があります。なお、電子データで保存することも認められています。

ポイント


  ・元請業者は、特定粉じん排出作業が終了した時点ですぐに報告すること。
  ・必要な情報をもれなく記載して報告することが重要。
  ・報告内容は3年間保管しなければならない。

2,特定工事の特定粉じん排出作業等の記録作成・保存

特定粉じん排出等作業に関する記録は、特定工事が完了した日から3年間、特定建築材料の取り外しや囲い込みが完了したことを確認した者が、確認を適切に行うために必要な知識を有していることを示す書類の写しと共に保存することが必要です。

ここで言う「確認を行った者が当該確認を適切に行うために必要な知識を有する者に該当することを証明する書類」は、講習実施機関が発行した講習修了証(一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録された者には、協会から発行された登録証)のことを指します。また、電子データでの保存も認められています。

記録に含まれる項目は「特定粉じん排出等作業の実施状況」であり、集じん・排気装置の正常な動作、負圧の確認、取り外しや囲い込みが完了し、隔離解除前に大気中への特定粉じんの排出がないことの確認結果などが含まれます。

これに加え、各作業の実施状況を作業基準に則って詳細に確認できるよう、写真や動画などを活用して記録を作成するとよいでしょう。

また、作業途中で計画が変更された場合は、その変更内容も記録されます。 特に、届出が必要な特定工事においては、届出内容が変更された場合は、単に記録するだけでなく、変更情報を都道府県等に共有することが望ましいとされています。

特定粉じん排出等作業を下請け業者が行う場合、特定工事の元請業者は、下請け業者が特定工事の施工に関する特定粉じん排出等作業の記録をまとめ、法第18条の23第1項で規定された記録を作成し、保存する責任があります。

ポイント

 ・作業記録には、確認に必要な知識を有する者の証明書類コピーを保管する。
 ・各作業状況の様子を写真や動画で残しておくとよい。
 ・計画に変更があった場合は、その情報も残しておく。

3,自主施工者の特定粉じん排出作業等の記録作成・保存

特定工事の自主施工者は、特定粉じん排出等作業が完了した際には、その特定工事に関する特定粉じん排出等作業の記録を作成し、保存する必要があります。

これらの記録事項は、元請業者による特定工事の特定粉じん排出作業等に関するものと同様であり、保存についても同様に特定工事が終了した日から3年間、特定建築材料の取り外しや囲い込みが完了したことを確認した者が、確認を適切に行うために必要な知識を有していることを示す書類のコピーと一緒に保存されます。

また、解体等工事の自主施工者である個人(解体等工事を業として行う者を除く)が、排出される。又は飛散する粉じんの量が著しく少ない軽微な建設工事を行う場合で、その工事が特定工事と見なされる場合には、工事の様子を写真に撮り、それを設計図書や他の書面と一緒に保存するなど、簡易な方法でよいので特定工事における特定粉じん排出等作業に関する記録を作成・保存することが必要です。

ポイント

 ・自主施工者も元請業者と同様に、作業報告と記録の作成・保管が必要である。

  • B!