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アスベスト関連法規 石綿障害予防規則4

アスベスト除去作業の届出について

【引用】
石綿障害予防規則

(作業の届出)
第五条 
1 事業者は、次に掲げる作業を行うときは、あらかじめ、様式第一号の二による届書に当該作業に係る解体等対象建築物等の概要を示す図面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 1)解体等対象建築物等に吹き付けられている石綿等(石綿等が使用されている仕上げ用塗り材(第六条の三において「石綿含有仕上げ塗材」という。)を除く。)の除去、封じ込め又は囲い込みの作業

 2)解体等対象建築物等に張り付けられている石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材(耐火性能を有する被覆材をいう。)等(以下「石綿含有保温材等」という。)の除去、封じ込め又は囲い込みの作業(石綿等の粉じんを著しく発散するおそれがあるものに限る。)

2 前項の規定は、法第八十八条第三項の規定による届出をする場合にあっては、適用しない。

出典:石綿障害予防規則 第5条|e-Gov法令検索

【解説】

これまで対象となっていた作業については、石綿障害予防規則改正により、労働安全衛生法(第88条第3項)の規定に基づく計画の届出対象に変更されました。

計画の届出は、建設業および土砂採石業に限定されていますが、それ以外の業種に属する事業者も対象作業を行う場合は、石綿障害予防規則上の規定に基づき届出を行う必要があります。

なお、建築物や工作物の解体などの作業と、アスベストが使用されている保温材や耐火被覆材の除去作業を同時に行う場合は、まとめて届出を行っても構いません。ただし、除去作業のアスベスト飛散防止対策について記載する必要があります。

アスベスト除去作業の規定について

石綿障害予防規則の第6条、第6条の2、第6条の3、第7条、および第13条は、アスベストを含む建材の撤去作業に必要な対策に関する規定であり、基本的には大気汚染防止法の作業基準と同じ内容を含んでいます。

石綿障害予防規則の第6条では、吹き付けアスベストやアスベストを含む断熱材の切断を伴う撤去作業における対策について規定されています。

これらの作業を実施する際には、他の作業場所からの隔離や前室の設置を行い、それに加えて集じん排気装置を使用して排気を行う必要があります。

また、作業を開始する直前や集じん・排気装置の配置場所を変更した場合は、集じん・排気装置出口からの石綿等の粉じん漏えいを点検すること、作業の前と中断時に前室が負圧に維持されているかどうかを確認する必要があります。

もし異常が検出された場合は、作業を中止し、集じん・排気装置の修理や増設など必要な対策を講じることが義務付けられています。

アスベスト粉じん飛散対策に関する規定

集じん・排気装置に関して、過去に足場が当たって接合部が外れるなどで、アスベストの粉じんが隔離場所から漏れる事例が確認されたため、集じん・排気装置を変更した場合は、排気口からアスベストの粉じん漏れがないかどうかを点検することを義務付けています。

隔離を伴う作業を行った際には、作業場内のアスベストの粉じんの処理をしなければなりません。

特に吹き付けアスベストの除去やアスベスト含有建材の切断など、粉塵が発生する除去作業においては、建築物石綿含有建材調査者(建築物の除去作業に関する者)または石綿作業主任者が確認した上で、除去箇所に取り残しがないことを確認し、粉じん飛散を防ぐために湿潤化処理剤を噴霧・塗布してから隔離を解除する必要があります。

アスベストを含む成形品を切断して除去する場合

石綿障害予防規則では、アスベストを含む成形品(大気汚染防止法の石綿含有成形板など)の除去対策が定められています。石綿含有成形品を取り外す場合は、切断などの方法以外を用いるよう推奨されています。

ただし、技術的に切断以外の方法が難しい場合、厚生労働大臣が粉じん飛散のリスクが高いと認定している「けい酸カルシウム板第1種」の切断を行う場合は、作業場所はビニルシートなどで隔離した上で、常に湿潤な状態を保つ必要があります。

切断以外の方法が難しい場合の定義は、成形品が下地材や接着剤で固定され、かつ切断せずに取り外すことが難しい場合や、サイズが大きくて切断せずに取り外すことが難しい場合を指しています。この際の「隔離」は、ビニルシートなどで行うため、負圧の維持までは求められていません。

また、常に湿潤な状態に保つためには、表面を散水などで湿らせるだけでは粉じん発散抑制対策としては不十分です。切断面に散水するなどの対策も合わせて行い、湿潤な状態を維持することが求められています。

電動工具を使用する際の注意事項

アスベストを含む仕上げ塗材を電動工具を使用して取り除く作業においても、作業場所をビニルシートなどで隔離し、常に湿潤な状態を維持する必要があります。

ここで言う「仕上げ塗材」は、セメント、合成樹脂などの結合材、顔料、骨材などを主成分とし、建築物の内外の壁や天井を吹き付けたり、ローラー塗り、こて塗りなどで立体的な模様を持たせる目的で使用される建築用仕上塗材です。

電動工具を使用して除去する作業としては、主にディスクグラインダーやディスクサンダーを用いてアスベストを含む仕上げ塗材を取り除く作業を指しますが、高圧水洗工法や超音波ケレン工法による作業は含まれません。

アスベスト除去作業場所の立入制限について

石綿障害予防規則では、アスベスト建材の切断を行わない場合の除去作業場所について、作業に従事しない他の者の立ち入りを禁止し、かつその旨を分かりやすい場所に表示することを義務づけています。

立入禁止の対象となる作業場所は、当該作業が行われている個々の場所を指しています。壁や天井などで囲まれたエリアにまで範囲を拡げる必要はありません。

まとめ

アスベスト除去作業には、石綿障害予防規則によって定められている届出が必要。

アスベスト除去作業には、それぞれのケースにより飛散防止のために隔離・湿潤化・立入制限などの規定が設けられている。

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