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アスベストのリスクの特徴

アスベストのリスクとは

アスベストは発がん性物質であり、リスクに大きな特徴があります。アスベストの危険性を考えるときに、リスクという概念でとらえると理解が深まります。リスクとは労働安全衛生においてハザード(危険有害性)に曝露(さらされること)をかけ合わせたものとされています。つまり、

リスク = ハザード(危険有害性) ✕ 曝露(さらされること)

ということになります。
この考え方に基づいて、アスベストのリスク評価方法について解説していきます。

アスベストのハザード(危険有害性)について

ハザード(危険有害性)はアスベストの含有率(建材中のアスベスト含有%)とアスベストの種類によって決まります。飛散が発生したとして、アスベスト含有率が高い建材の方が危険度が高く、発がん性が高いアスベスト種(アモサイト、クロシドライト)を含有する建材の方が危険有害性が強くなる。つまりハザードが高いといえます。

アスベストの曝露(さらされること)について

次に曝露(さらされること)の危険度について解説します。アスベストは力が加わることでアスベスト繊維が飛散し、曝露が起きたときに初めてリスクが発生します。成形板のように建材の中にアスベスト繊維が固定されている状態ではリスクは発生しません。しかし吹き付けアスベストのような頑丈ではない建材が劣化していると、風など少量の力でアスベスト繊維が飛散して、曝露リスク発生の可能性が高くなってしまいます。
この飛散性の違いでアスベスト建材はレベル1〜3に分類されています。レベルの数字が低いほどアスベスト繊維が飛散しやすくなる。つまり曝露(さらされること)の危険度が高いといえます。
アスベストのリスクを評価する時には、含有率と種類によるハザードの大きさと、飛散性の強さによる曝露の危険度をかけ合わせて考える必要があります。

発がんの要因

長年の研究によって、アスベストの発がん要因は、形態によるものが最も大きいことが判明しています。人間にとって有害な物質は数多く存在しますが、形態が発がんするという物質は、今のところアスベストの他にありません。アスベスト繊維を顕微鏡で観察すると、0.02μmの単繊維が束になっています。これはアスベスト特有の繊維構造で「アスベスト様形態」と呼ばれており、アスベスト特有の極めて細い繊維の束を示す言葉です。この微細な繊維が発がん性物質を吸着して、がんの発生を助長するという説が有力視されています。

アスベスト繊維の飛散

アスベスト繊維が飛散すると、どのような危険が発生するのでしょうか?アスベスト繊維は目に見えません。仮にアスベスト含有建材を屋内で切断して粉塵が飛散した場合、10分〜20分もすると、目視では粉塵は治まったかのように見えます。しかし実際に治まっているのはセメントなどの粗い粒子の粉塵であり、アスベスト繊維はさらに微細で、長時間空気中に滞在しています。しかも数十m先まで飛散することもあり、その繊維は目視では確認出来ません。そのため建物内の人々は、無自覚のうちにアスベスト曝露してしまう危険性があります。そのうえ床面に落下したアスベスト繊維は、衝撃を受けるたびに微細な形態に分割されて、わずかな力で再飛散を起こします。つまり、より飛散しやすく、より発がん性が強い繊維になってしまう可能性があるのです。

まとめ

アスベストによる被害はまだまだ拡大するとみられています。アスベスト含有建材によって引き起こされる被害と損害は、決して看過できるものではありません。適切にリスクを評価したうえで、残されたアスベスト含有建材を取り扱うことが強く求められています。

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