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コラム

建築現場でのコア抜き作業のポイント

近年、建築現場でのコア抜き作業の需要が高まっています。これは、設備配管や電気配線を通すための穴あけ工事が増加していることや、従来のハンマー工法よりも安全性や効率性に優れていることが要因です。

コア抜き作業は専門知識と技術が必要とされる高度な作業なので、誤った手順で実施すると重大な事故につながる可能性があります。

そこで今回は、建築現場において安全性と効率性を両立させるための、コア抜き作業のポイントについて解説します。

1. 事前調査の徹底

コア抜き作業は、一見シンプルな作業に見えますが、高度な専門知識と技術が求められる作業です。事前調査を怠ると、思わぬ事故やトラブルを招き、工期の遅延や多額な費用が発生する可能性があります。

以下に、安全かつ効率的なコア抜き作業を実現するために、事前調査で確認するべきポイントを紹介していきます。

構造物の種類
鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造など、構造物の種類によって、コア抜き作業の方法や必要な工具が異なります。

コンクリート強度
コンクリートの強度は、コアビットの選択や切削速度に影響を与えます。

鉄筋の有無と位置
鉄筋は、構造物の強度を担保する重要な部材です。コア抜き作業で鉄筋を切断すると、構造物の耐荷重に影響を与え、重大な事故につながる可能性があります。

既存配管・電線等の埋設状況
既存の配管や電線を切断すると、漏水や感電などの事故につながる可能性があります。

空洞や欠損の有無
空洞や欠損があると、コア抜き作業が困難になるだけでなく、構造物の安全性にも影響を与える可能性があります。

2. 安全対策の徹底

コア抜き作業は、騒音や振動、粉塵が発生する危険な作業です。
そのため、以下のような安全対策を徹底する必要があります。

防音・防振対策
防音シートや防音カーテンで騒音を遮断し、防振マットを敷くことで振動を吸収します。

粉塵対策
防塵マスクやゴーグル、防塵服を着用し、粉塵を吸い込まないようにします。
また、水による湿潤も粉塵の抑制に効果があります。

落下物対策
作業場所周辺を養生して、機器や装置を落下物から守ります。また、作業場所の周囲に落下物を防止するネットを設置します。

3. 適切なコアドリルの選択

コアドリルは、円筒形の穴を開けるために使用する工具です。様々な素材に対応できるよう、種類も豊富に存在します。ここでは、代表的な5種類のコアドリルについて解説します

振動用コアドリル
コンクリートブロック、レンガ、モルタルなどの穴あけに適したコアドリルです。振動ドリルに取り付けて使用し、回転と打撃の力で穴を開けます。比較的安価で入手しやすく、汎用性が高いのが特徴です。

複合材用コアドリル
FRP(繊維強化プラスティック)や炭素繊維などの複合材に穴を開けるために使用します。振動用コアドリルでは穴あけが難しい素材にも対応できます。ダイヤモンド砥粒が刃先に使用されており、切削性能に優れています。

ALC用コアドリル
ALCパネルなどの軽量気泡コンクリートに穴を開けるために使用します。ALCパネルは通常のコンクリートよりも脆いため、専用の刃を持つALC用コアドリルが必要です。切断時に粉塵が発生しやすいため、集塵装置の併用がおすすめです。

マルチ用コアドリル
石膏ボード、ベニヤ板、木材、プラスチックなど、様々な素材に穴を開けるために使用できます。汎用性の高いコアドリルですが、素材によっては他の種類のコアドリルよりも穴あけ性能が劣る場合があります。

乾式コアドリル
水を使用せずに穴を開けることができるコアドリルです。コンクリートやタイルなど、水濡れが問題となる場所での作業に適しています。乾式コアドリルは、刃先がダイヤモンド砥粒で覆われており、摩擦熱による切断を行います。

4. 熟練した作業員に任せる

コア抜き作業は、専門知識と技術が必要とされる高度な作業です。そのため、熟練した作業員に任せることが重要です。

熟練した作業員を選ぶ際には、経験年数、資格、過去の施工実績などを参考にしましょう。自社で作業を行う場合は、作業員を十分に教育・訓練する必要があります。

5. 作業手順を遵守する

コア抜き作業は、手順通りに確実に作業を進めることが重要です。
作業手順を遵守することで、事故やトラブルを未然に防ぎ、安全かつ効率的に作業を進めることができます。

コア抜き作業を実施する前に、必ず作業手順書を作成しておくことが重要です。
そして、手順書通りに作業を進めることで安全性や品質が向上します。また、工期の短縮にも寄与します。

作業中に状況が変化した場合は、すぐに作業監督者に指示を仰ぎましょう。
作業終了後は、作業内容の記録を取っておくことも大切です。

まとめ

コア抜き作業は、安全性と効率性を両立させることが重要です。

今回紹介したポイントは5つ

1. 事前調査を徹底する
 構造物の種類と状態を調査すること。

2. 安全対策を徹底する
 防音・防振・粉塵・落下物・感電の対策を行うこと。

3. 適切なコアドリルの選択
 それぞれ施工環境・対象に合わせて適切なものを選定すること。

4. 熟練した作業員に任せる
 作業員を選任する際には、経験年数、資格、過去の施工実績を参考にする。

5. 作業手順を遵守する
 作業手順書を作成し、手順通りに作業を進めること。

コア抜き作業は、今後も建築現場において重要な役割を果たしていくと考えられます。
上記を参考に、安全かつ効率的なコア抜き作業を実施しましょう。

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