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コラム

なぜその部位に吹付け石綿が? 設計思想と要求性能から紐解く使用目的 2

4、断熱(排ガス)を目的とした使用

排ガス断熱を目的とした吹付け石綿や石綿含有断熱材の使用は、工業施設やボイラー設備の安全性を確保するための設計思想に基づいています。

主に、建築物の煙突内部に煙突用石綿断熱材をライニング(内張り)として施工します。

これにより、排ガスの高温が煙突の外側や周囲の構造物に伝わりにくくなり、温度による劣化や火災リスクを低減します。

また、排ガスがスムーズに排出されるよう、煙突内の温度を適切に保つ役割も果たします。

建築物によっては、ボイラーや焼却機器と煙突を結ぶ横引きの煙道部分にも、同様の煙突断熱材が使用され、全体の排気システムの断熱を図っています。

建物に付帯しない単独の煙突の場合もありますが、こうした部位では煙突用断熱材の適用が一般的です。

具体的な使用部位の例として、建築物の煙突(煙突内)が挙げられます。

設計図書では、仕上げ表、矩計図(断面詳細図)、部分詳細図、特記仕様書などに記載されていることが多く、調査時にはこれらの資料を参考に、煙突内部の状況を慎重に確認します。

このように、排ガスの温度や流量を考慮し、適切な断熱厚さを評価することで、安全性を確保するよう努められています。

5、保温を目的とした使用について

保温を目的とした吹付け石綿や石綿含有保温材の使用は、設備機器や配管の熱を効率的に保持し、エネルギー損失を防ぐ設計思想から生まれています。

私たちは、特に冬場の凍結防止や結露対策を兼ねて、こうした部位に材料を適用してきました。

主に、プラント施設や建築物の設備配管、機械室内の機器に施工されます。

配管の曲がり部であるエルボやチーズ、バルブなどの付属品周りでは、形状が複雑なため吹付けによる密着施工が適しており、熱の逃げを最小限に抑えます。

また、古い建築物の機械室では、ヘッダーやポンプなどの大型機器全体に吹き付け、保温・断熱とともに結露や凍結を防止する役割を果たしています。

これにより、温水や蒸気の温度低下を防ぎ、システム全体の運用効率が高まります。

こうした部位が熱損失の大きい箇所であることを考慮し、保温材の厚さや施工範囲を慎重に選定されています。

具体的な使用部位の例としては、配管類の保温、特にエルボ部分や、古い建築物の機械室のヘッダー・ポンプなどの機器が挙げられます。

設計図書では、空調・衛生設備図の仕様書、設備図(機器表)、設備図(部分詳細図)、設備外構図などに記載されていることが多く、調査時にはこれらの資料を基に機器周りの状況を丁寧に確認しています。

このように、保温目的の施工が設備の長期安定稼働を支えてきた点を重視して、改修時にも同様の視点で評価されています。

6、調湿を目的とした使用について

調湿を目的とした吹付け石綿の使用は、室内の湿度を安定させ、貴重な物品や書類を守る設計思想に基づいています。

湿気の多い環境や精密な保管が必要な場所で、材料の吸湿・放湿特性が活かされてきました。

主に、銀行の金庫室、書類保管庫、病院のカルテ室などの壁や天井に吹き付けられます。

これらの部屋では、湿度が過度に上昇するとカビや腐食が発生しやすく、書類や重要書類の劣化を防ぐために湿度調整が求められます。

吹付け石綿(商品名不明のものも含む)は、繊維が水分を適度に吸収・放出する性質を持つため、室内の湿度変動を緩やかに抑える効果を発揮します。

こうした特殊な保管空間の要求性能を考慮し、調湿材として選定する際には、部屋の用途と保管物の特性が細かく検討されてきました。

具体的な使用部位の例として、書類保管庫、カルテ室、金庫室などが挙げられます。

設計図書では、仕上げ表、矩計図(断面詳細図)、部分詳細図などに記載されていることが多く、調査時にはこれらの資料と現地状況を照合して確認します。

7、仕上げ材として使用について

仕上げ材としての吹付け石綿や石綿含有吹付け材の使用は、機能性と装飾性を同時に実現する設計思想から生まれています。

吸音性能を兼ね備えた内装仕上げとして、空間の美観と快適さを高めるためにこれらの材料が選ばれてきました。

主に、石綿含有吹付けバーミキュライトや石綿含有吹付けパーライトが吸音を兼ねた仕上げ材として用いられ、天井や壁に施工されます。また、内装や外装では成形板なども使用され、多様な表現が可能でした。

特殊な例として、クリソタイル吹付け仕上げでポーラス(多孔質)な質感を演出したり、クロシドライト吹付け仕上げで深みのある青色を出すケースもあります。

これらは、視覚的なインパクトを重視した空間で重用されてきました。

具体的な使用部位の例として、次のものが挙げられます。

  • 共同住宅の食堂・居間、階段室上裏(仕上げ材・吸音材として)
  • 特殊な例として、ロビー天井・宴会場天井
  • 内装(天井、壁、床、幅木等)、外装(外壁、屋根等)

設計図書では、仕上げ表、矩計図(断面詳細図)、部分詳細図などに記載されていることが多く、調査時にはこれらの資料を参考に、仕上げの質感や色調を現地で確認しています。

仕上げ材としての使用が空間全体の雰囲気を決定づける重要な要素であることを重視し、デザインと機能のバランスが良いことで用いられてきました。

まとめ

吹付け石綿の使用目的を設計思想と要求性能から振り返ってみると、建築物の多様なニーズに応じた選択がなされてきたことがわかります。

今回のまとめは以下のとおりです

  • 主な目的として、耐火・断熱・吸音を中心に建物の安全と快適さを追求
  • 吸音では機械室やホールなどの天井・壁で音環境を改善
  • 断熱・結露防止では屋上階スラブ下や北側壁で空調負荷軽減と耐久性向上
  • 排ガス断熱では煙突内部にライニングし高温対策と排気効率を確保
  • 保温では配管エルボや機械室機器で熱保持と凍結防止を実現
  • 調湿では金庫室や書類保管庫の壁・天井で湿度を安定させ物品保護
  • 仕上げ材では天井・壁にバーミキュライト等を使い吸音と美観を両立

上記の点を踏まえ、建築の進化を考える機会にしていただければ幸いです。

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