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コラム

石綿含有せっこうボードの見分け方

古い建物の壁や天井に使われるせっこうボード。その中には、石綿(アスベスト)を含むものがあり、解体や改修工事で飛び散ると肺がんや中皮腫といった健康被害を引き起こす恐れがあります。

そうした事態を防ぐために、せっこうボードの裏面に記載された印字や、国土交通省・経済産業省の石綿含有建材データベースを活用して、石綿の有無を見分けることができます。

今回は、専門知識がなくても理解できる、せっこうボードの見分け方のポイントをわかりやすく解説します。

JIS規格の印字や製造時期をチェックすることで、安全な工事と地域の安心を守る第一歩を踏み出せます。石綿リスクを減らし、安心な未来を築くために、ぜひ参考にしてください。

せっこうボードと石綿の基礎知識

せっこうボードは、建築基準法に定める不燃性能を備え、防火・耐火性、遮音性、断熱性、施工性に優れた建材です。

壁や天井の内装材として広く使われ、特に官庁建物や公立学校、病院などの公共施設で多用されました。

種類には、防火、防水、耐震、防湿せっこうボードなどがあり、JIS A 6901(吸音ボードはJIS A 6301)の規格に準拠します。

しかし、昭和45年(1970年)から昭和61年(1986年)までに製造されたせっこうボードの約1%弱が石綿を含有しており、解体や改修時に飛散すると健康リスクを引き起こします。

例えば、ある公立学校の解体工事で、事前調査が不十分だったため石綿含有せっこうボードを見逃し、飛散事故が起きた事例があります。

このようなリスクを防ぐには、せっこうボードの石綿含有を正確に見分けることが不可欠です。

多くのせっこうボードには裏面にJIS番号や防火材料の認定番号が印字されており、これが石綿の有無を判断する手がかりとなります。

国土交通省・経済産業省の石綿含有建材データベースを使えば、判断に有効な情報を確認できます。

次に、裏面印字の具体的な活用方法について解説していきます。

裏面印字でわかる石綿含有のポイント

せっこうボードの石綿含有を見分ける鍵は、裏面に記載された印字です。約9割のせっこうボードには、以下の情報が印字されています。

①メーカー名 (例:主要3社の名前)

②認定番号 (不燃や準不燃を示す番号)

③製造工場JIS番号 (工場や製品規格を示す)

④製造年 (例:「61」で昭和61年)

 

特に注意が必要なのは、昭和61年の「不燃」番号付きボードです。この時期は石綿が耐火性のために多く使われており、データベースで「石綿含有せっこうボード」を「不燃」で検索すると、該当番号が石綿含有として登録されている場合が多いです。

例えば、調査者がボード裏面に「不燃」番号と「61」を確認し、データベースで確認したところ、含有が判明し、適切な対策を講じられた事例があります。

ただし、印字がないボードやデータベースに記載のない建材も存在します。こうした場合は、慎重に追加調査を行う必要があります。

石綿の含有を判断するポイントと注意点

石綿含有せっこうボードを見分けるには、石綿が「含まれていない」と判断できる基準を押さえることが大切です。これにより、調査の効率が上がり、不要な分析を減らせます。

まず、設計図書を確認しましょう。せっこうボードの厚さが9.5mmや12.5mmで、1994年(平成6年)以降に製造されたと記載があれば、石綿の含有はない可能性が高いです。

これは、この時期以降、石綿が規制されたためです。ただ、現場での厚さ測定は難しいため、他の手がかりも確認しておきましょう。

次に、裏面印字をチェックします。2002年5月以降の新しい認定番号(例:NM、QM)や、ロット番号のみが記載されたボードは、通常、石綿を含まないと判断できます。

最近のせっこうボードはロット番号のみの印字が多く、石綿は含有していないと考えられます。ロット番号のみの場合は、石膏ボード工業会などに問い合わせ、製造情報を確認するのが賢明です。

注意点としては、昭和45年から61年に製造されたせっこうボードのうち、ごくまれに石綿含有しているものがある点で、その比率は約1%と言われています。

古い建物では、異なる種類のボードが混在するため、理想的には全数の裏面確認が必要です。たとえば、ある現場では、印字のないボードを追加調査し、石綿含有のリスクを回避できました。

全数確認には解体・改修業者の協力が欠かせません。調査者は、事前に業者と打ち合わせを行い、ボード裏面の露出を依頼しましょう。

調査を成功させるための協力と準備

石綿含有せっこうボードの調査を成功させるには、準備と関係者との協力が欠かせません。特に、解体・改修業者の協力が重要です。

せっこうボードの裏面印字を全数確認するには、業者がボードを露出させる作業が必要だからです。調査者は、事前に業者と打ち合わせを行い、調査の目的や必要性を説明することで協力を得ましょう。

調査の流れを共有し、作業スケジュールを調整することで、スムーズな確認が可能です。準備も大切です。

調査前には、裏面印字のチェックリストを作成し、撮影機器を用意しておくと効率的です。チェックリストには、認定番号や製造年を確認する項目を記載し、データベースとの照合を忘れずに行いましょう。

まとめ

石綿含有せっこうボードの見分け方は、安全な工事と地域の安心を守るために不可欠です。

昭和45年から61年に製造されたせっこうボードの約1%が石綿を含有しており、公共施設で使われた可能性が高いため、注意が必要です。

裏面印字の認定番号や製造年をチェックし、データベースで照合することで、含有の有無を正確に判断できます。

また、1994年以降のボードや、2002年5月以降の新しい認定番号(NM、QM)、ロット番号のみのボードは、通常、石綿の含有はないと考えられます。

せっこうボードを正しく見分けることで、安心な工事と地域の信頼を築きましょう。

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