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コラム

アスベスト関連法規 大気汚染防止法7

引用】

大気汚染防止法施行規則

(解体等工事に係る調査の方法)
第16条の5 法第18条の15第1項の環境省令で定める方法は、次のとおりとする。

1、設計図書その他の書面による調査及び特定建築材料の有無の目視による調査を行うこと。
(中略)
イ〜ホ(略)

2、建築物を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事に係る前号に規定する調査 (前号ただし書に規定する場合を除く。)については、当該調査を適切に行うために必要な知識を有する者として環境大臣 が定める者に行わせること。ただし、解体等工事の自主施工者である個人 (解体等工事を業として行う者を 除く。)は、建築物を改造又は補修する作業であって、排出され、又は飛散する粉じんの量が著しく少ないもののみを伴う軽微な建設工事を施工する場合には、自ら当該調査を行うことができる。

3、第一号に規定する調査により解体等工事が特定工事に該当するか否かが明らかにならなかったときは、分析による調査を行うこと。ただし、当該解体等工事が特定工事に該当するものとみなして、法及びこれに基づく命令中の特定工事に関する措置を講ずる場合は、この限りでない。

出典:大気汚染防止法施行規則|e-Gov法令検索

(3) 適切な調査のために必要な知識を有する者

建築物の解体や改造、補修を伴う建設工事に関する調査において、解体工事の主要請負業者や自主施工者は、特定の条件を満たす場合を除いて(解体工事が平成18年(2006年)9月1日以降に設置工事が開始された建築物を対象とし、かつ他の建築物の解体や改造、補修を伴わない場合)書面による調査や現地での目視調査を実施する役割があります。

この際には、「一般調査者」や「特定調査者」またはこれらの者と同等以上の能力を備えると認められる者に調査を行わせる必要があります。また、住宅の内部に関する調査については、一戸建ての住宅や共同住宅の住戸においては、前述の者に加えて「一戸建て等調査者」による調査も認められています。なお、解体工事の建築物設置工事が開始された日を書類で調査する場合は、必ずしも調査者を必要とするわけではありません。

さらに、多数の建築物の解体工事が行われている状況から、十分な人数の調査者を育成する必要があります。そのため、円滑な事前調査を行う観点で、当該者に調査を行う義務を課す規定が、令和5年(2023年)10月1日から適用されることになっています。しかしながら、この義務が適用される以前でも、事前調査については調査者による実施が好ましい方法とされています。

環水大大発第1711201号環境省水・大気環境局大気環境課長が発した、平成29年(2017年)11月20日付けの通知「事前調査の不徹底により石綿含有建材が把握されずに建築物等の解体等工事が開始された事案等について」において、適切な判断ができるアスベストに関する専門知識を持つ者は、通常、一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録されている者が含まれるとされてきました。そのため、「同等以上の能力を有すると認められる者」とは、義務適用が開始される前までに一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録され、事前調査を行う時点でも同協会に引き続き登録されている者を指します。

一般調査者と特定調査者に関しては、どちらの種類の建築物の調査も行うことができる規定があります。ただし、アスベスト含有材料の種類が多岐にわたり、大規模な建築物やアスベスト含有材料の特定が難しい改修が繰り返されている建築物については、特定調査者または豊富な現場経験を持つ一般調査者による調査を行うことが望ましいです。

分析調査に関しては、石綿障害予防規則第3条第6項に基づき、適切な分析調査を行うために必要な知識や技能を備えた者として、厚生労働大臣が指定する者(令和2年厚生労働省告示第277号で指定された者など)による実施が求められます。
また、建設工事において工作物を解体、改造、または補修する場合の事前調査については、調査者などによる事前調査の義務は課されないことになっています。

(4) 一般個人による前調査

前述の(3)の規定に関わらず、建築物の解体等工事を行う自主的な個人(業として解体等工事を行う者を除く)は、建築物の改造や補修作業において、排出または飛散する粉塵が著しく少ないと判断される軽微な建設工事を行う場合に、自身で事前調査を行うことが認められています。

ここで言う「排出または飛散する粉塵が著しく少ないと判断される軽微な建設工事」とは、家具の固定に関連する特定の建築材料の一部を加工する作業など、床、壁、天井などに対する穴あけなどの作業を指し、これによる粉塵の排出や飛散が極めて少ない場合を意味します。個人が自ら事前調査を行う際には、調査者による調査を必ずしも要求はされていません。

ただし、個人であっても、作業基準の遵守や法の規制の対象となるため、該当作業を含む建設工事が特定の工事に該当し、大気汚染防止法およびこれに基づく命令による特定工事に関する措置を講じるか、あるいは調査者等による調査を行うことが望ましいです。

(5) 解体等工事に関する説明

解体等工事の主契約業者が発注者に対して提供する説明内容は以下の通りです。この説明は、解体等工事が届出の対象となる特定工事に該当し、かつ、特定粉じん排出等作業を特定工事の開始日から14日以内に実施する予定の場合(特定粉じん排出等作業の開始日の14日前までに実施する必要があります)に行われます。

ただし、災害やその他の非常事態により解体等工事を急遽行う必要がある場合は、この説明は調査実施後に速やかに行われます。この説明は、電子データを使用して書面を発行し、説明することができます。また、事前調査に関する記録は、解体等工事が完了した日から3年間保存する必要がありますが、電子化で記録を保存することが認められています。

【事前調査に関する説明内容】

説明事項である「事前調査の結果」は特定工事に該当するか否か、及びその根拠についてになります。また「事前調査の方法」は、書面による調査、現地での目視調査、分析による調査、調査者による調査の実施に関してです。また「調査者に関する情報」は、調査を行った個人が受講した登録規程に基づく研修を提供した機関の名前を指します。特に、一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録された者の場合は、その旨も記載されます。なお、事前調査の段階において調査が難しい箇所がある場合には、その箇所の調査困難性とその理由を併せて発注者に説明することが望ましいとされています。

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