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コラム

施工のプロが押さえるべき石綿含有塗材の飛散防止策 その1

建築や解体の現場では、石綿(アスベスト)は見逃せない大きなリスクです。かつて建材として広く使われていた石綿は、吸い込むと肺がんや中皮腫などの深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。そのため、法律や規制が厳しくなる中、施工のプロには確実な飛散防止対策が求められています。

特に石綿含有塗材は、目に見えにくい形で飛散しやすいです。対策を怠ると作業者だけでなく、周囲の住民にも健康被害を与える恐れがあります。

このコラムでは、石綿含有塗材の飛散防止に必要な具体的な方法を解説します。安全な施工現場の参考になれば幸いです。

 

石綿含有塗材の特性と確認方法

石綿は、その優れた耐熱性や断熱性から、かつて建築材料として広く利用されてきました。その一つである石綿含有塗材は、特に建物の壁面や天井、鉄骨の防火材として使用されていることが多く、古い建物ではその存在が疑われるケースも少なくありません。

しかし、外観からは石綿を含んでいるかを判断するのは極めて難しいため、施工前にしっかりと確認を行うことが必要です。

まず、建物が建てられた時の図面や記録を調べて、使われている材料にアスベストが含まれているかを確認します。資料がない場合は、アスベストの専門調査会社に頼んで、実際に現場を調べたり、サンプルを採取して分析してもらうと良いでしょう。

また、簡易的な確認方法として、市販の検査キットを使うこともできます。しかし、これはあくまで迅速な初期判断を目的とするものです。より正確な確認には、専門機関での検査が必要です。

石綿が使用されている疑いが、わずかでもある場合は、安全を最優先に考える姿勢が求められます。リスクを評価して確認を徹底することで、飛散防止対策の質が大きく向上し、作業者や周囲の安全を守ることができます。

 

石綿含有塗材のリスク管理の重要性

建築用仕上塗材は、内外装の仕上げとして幅広く使用されていました。その特徴として、数ミクロンの薄い塗膜を形成する一般的な塗料とは異なり、数ミリの厚みを持つ左官材料や塗装材料である点が挙げられます。

吹付け、こて塗り、ローラー塗りといった施工方法を用いることで、立体的な模様が作り出される仕上塗材ですが、過去には施工品質を良くするために、クリソタイルやアモサイトなどのアスベストが添加材として使われていました。

特に、吹付けパーライトや吹付けバーミキュライトと呼ばれる軽量塗材は、天井などに施工されるケースが多く、これらは「吹付け石綿」として分類されています。吹付け石綿を取り扱う際には、除去時の飛散防止措置が厳格に求められ、法令に基づいた対策が必要です。

一方で、石綿を含まない「可とう形改修塗材」も存在します。これは経年劣化した複層仕上塗材を改修するための材料として普及しており、JIS規格化された製品です。

多くの場合、既存の複層仕上塗材に石綿を含まない「可とう形改修塗材」が施工されているため、この改修塗材層のみを改修する場合、石綿除去作業には該当しません。

ですが、建築物の解体時には、既存の複層仕上塗材内にアスベストが含まれている可能性は否めないので、事前の調査は必須です。

アスベストを含む仕上塗材は、合成樹脂やセメントで固められているので、塗膜がしっかりしている間はアスベストが飛散するリスクはほとんどありません。

しかし、解体や取り外しのときに塗材を壊さずに取り除くのは難しく、その際にはアスベスト繊維が飛び散る可能性があります。ですので、適切な除去方法を採用し、飛散防止の措置を講じることで、作業者や周辺住民の安全を確保する必要があるのです。

施工のプロとしては、こうした石綿含有塗材の特性を正しく理解し、現場ごとの状況に応じたリスク管理を徹底することは、社会的責任を果たすうえでも非常に重要です。

 

飛散防止策の基本方針

石綿含有塗材の取り扱いには、作業者や周辺環境の安全を守るため、飛散防止策を徹底することが最も重要です。そのためには、施工前の入念な計画が欠かせません。

具体的には、リスク評価を行い、飛散を防ぐための準備を整えることが基本方針となります。

まず、施工計画の段階で、対象となる塗材の石綿含有の有無を調査し、その結果に基づいて安全な作業手順を策定する必要があります。

この過程では、法律や規制を遵守し、作業区域の管理や防護措置を講じることが求められます。また、作業者には、石綿用防護マスクや防護服といった個人用保護具を着用させ、安全な作業環境を確保することが重要です。

さらに、現場の密閉や湿式工法の採用といった基本的な対策も合わせて実施すると良いでしょう。これによって、空気中へのアスベスト繊維の拡散が最小限に抑えられ、作業区域外への影響を防ぐことができます。施工後も、現場の清掃や飛散モニタリングを行い、アスベスト繊維の残存リスクを確認することが大切です。

飛散防止策の徹底は、施工現場の安全性を高めるだけでなく、施工のプロとして信頼性を築く上でも極めて重要です。現場ごとの条件を正確に把握して、法令に基づいた対策を講じることで、施工の質をさらに向上させることができます。

まとめ

今回は、施工のプロが押さえるべき石綿含有塗材の飛散防止策について解説していきました。都築ダイヤモンド工業では、石綿含有塗材の特性や取り扱い方法を正しく理解し、施工前の確認から飛散防止策まで、徹底したリスク管理を行っています。

的確・迅速な対応で、作業者や周辺環境の安全を確保に努めております。今後の施工現場でも、この基本方針を実践して、安全で高品質な作業を実現して参ります。

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