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コラム

アスベスト関連法規の概要

アスベスト関連法規を所管する省庁と法律

アスベストの法規制は、複数の省庁が管轄しており、複雑なものとなっています。
法規制には主要なものとして、厚生労働省が労働者を保護するために制定した「労働安全衛生法」と、環境庁が近隣住民保護のため制定した「大気汚染防止法」、さらに国土交通省が建物の利用者を保護するために制定した「建築基準法」が挙げられます。このほかにも廃掃法や建設リサイクル法などがあり、合計4つの省庁による7つの法律で構成されています。
以下に、アスベスト関連法規の概要を一覧表にしています。

アスベスト関連の法規の概要一覧表

法令 所轄 規制内容 主な目的
労働安全衛生法

石綿障害予防規則

厚生労働省 アスベストの新規輸入、使用、販売の禁止

石綿含有製品の取扱い、除去対策の規制

事業者への規制による労働者の保護
大気汚染防止法 環境省 特定建築材料(アスベスト含有建材)の除去対策の規制 除去工事発注者および処理業者への規制による近隣住民の保護
廃棄物の処理および清掃に関する法律 環境省 廃石綿・石綿含有廃棄物の規制 廃棄物排出者および処理業者への規制による公衆衛生の向上
建築基準法 国土交通省 増改築時の石綿除去の義務

石綿飛散の危険がある場合、勧告・命令

建物所有者、管理者または占有者への規制による建物利用者の保護
建設工事にかかわる資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法) 国土交通省

環境省

石綿など付着物の除去

特定建築資材の分別解体

事業者への規制による建築材料リサイクルと分別解体の促進
宅地建物取引業法 国土交通省 宅地建物売買時の重要事項説明義務 購入者などの利益保護
住宅の品質確保の促進等に関する法律 国土交通省

消費者庁

日本住宅性能表示基準による表示義務 住宅購入者などの利益保護

労働安全衛生法と石綿障害予防規則(厚生労働省)

労働安全衛生法は、職場における労働者の保護を目的として、主に事業者の義務などを定めている法律です。通称「安衛法」と呼ばれています。
そのなかでも石綿障害予防規則、通称「石綿則」は、労働安全衛生法第22条の細則であり、アスベストによる健康被害防止のために、建築物の解体におけるアスベスト対策について基準を示した法令です。従来は特定化学物質等障害予防規則に定められていましたが、建物解体によるアスベスト被害が拡大するにつれて、アスベスト対策の推進を目的として、2005年7月1日に分離され、単独の規則として制定されています。

大気汚染防止法(環境省)

大気汚染防止法は、大気の汚染に関して、国民の健康と生活環境の保護を目的として制定された法律であり、通称「大防法」と呼ばれています。大気汚染防止法では、事業所や工場などから発生する大気汚染物質について、施設・物質ごとに排出基準を設けて、基準を遵守するように規制されています。アスベストについては「特定粉じん」として、揮発性有機化合物や水銀などと共に規制しています。
アスベストは発がん性が非常に高い物質です。飛散することにより作業現場の周辺住民に被害が及ぶおそれがあります。そういった懸念により大気汚染防止法では、アスベストを大気汚染物質として規制しています。

建築基準法(国土交通省)

建築基準法は、建築物の敷地・設備・構成・用途について基準を定めることで、国民の生命、健康および財産の保護を目的とした法律です。内容は主に、建物の利用における規制です。アスベストについては、アスベスト含有吹付け材が「石綿の飛散のおそれがある建築材料」として規制の対象になっています。
建築基準法におけるアスベスト規制は、以下の3つです。

1,石綿その他物質の飛散または発散に対する衛生上の措置(第28条の2)

吹付け石綿および石綿吹付けロックウールの使用禁止

2,報告、検査など(第12条)

特定建築物を対象とした定期報告の義務付け

3、著しく保安上危険な建築物などの所有者等に対する勧告および命令(第10条)

吹付け石綿などの劣化によって、危険な状態が認められた場合の除去、移転、改築、増築、修繕、模様替え、使用中止、使用制限など措置の勧告

宅地建物取引業法(国土交通省)

宅地建物取引業法は、宅地建物取引業を営む者の免許制度や土地、建物の取引について必要なルールを定めた法律です。通称「宅建法」と呼ばれています。
アスベストに関する規制は1つのみで、宅地建物取引業者に向けられたものとなっています。内容としては、契約成立前に、売買当事者または貸借当事者に対して「重要事項説明」を、宅地建物取引士に書面にて実施させることを義務付けています。
なお、重要事項説明の義務は、調査結果が記録されている場合に限られています。

住宅の品質確保の促進等に関する法律(国土交通省・消費者庁)

住宅の品質確保の促進等に関する法律、通称「品確法」は、その名のとおり、主に住宅の品質確保促進を目的とした法律です。アスベスト関連の規制内容としては、石綿含有吹付け材の有無や採取、分析方法、室内アスベスト濃度などの表示方法を規定しています。

建設工事にかかわる資材の再資源化等に関する法律(国土交通省・環境省)

建設工事にかかわる資材の再資源化等に関する法律は、「建設リサイクル法」とも呼ばれており、リサイクルを促進するための法律です。建材をリサイクルする際にアスベストの付着を調査し、除去することを義務付けています。

廃棄物の処理および清掃に関する法律(環境省)

廃棄物の処理および清掃に関する法律、通称「廃掃法」は、公衆衛生の向上を目的とした、廃棄物の排出者・処理業者に対する規制です。廃棄物となったレベル1,2建材のアスベストは「特別管理産業廃棄物」として、それ以外のアスベスト含有廃棄物は「石綿含有廃棄物」「石綿含有一般廃棄物」として埋め立て・溶融処理するように規定しています。

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