改修・リフォームを行う業者の方に向けて
アスベストを含む建物の改修・改装を行う際には、安全対策に留意するとともに、石綿障害予防規則などの法令に基づいて
・石綿の有無の事前調査
・作業者の暴露防止措置
・必要書類の作成・届け出
上記3つを行う必要があります。
今回は、このような改修・建設時の規制や、事前調査の重要性、必要な届出、撤去作業後のアスベストの残存の有無の確認について解説していきます。
規制される改修工事
アスベストを含有する建築物の改修工事には、一定の規制が設けられており、アスベストの有無を確認するために、適切な調査を行う必要があります。
規制対象の改修工事は以下の3つになります。
・建築物の修繕および模様替え
・建築物の改修および修繕にかかる建築設備工事
建築設備とは電気設備、給水・排水など配管設備、換気・空調設備、自動火災報知機など防災設備、昇降機等を指します。
アスベストの存在が確認された場合、作業員の暴露を防ぎ、アスベスト含有材料を適切に処分するための措置を講じる必要があります。また、石綿含有建物を改修・改装した場合は、石綿障害予防規則の規定に従って記録し、保管しなければなりません。
事前調査
アスベストを含む建物を改修・改装する際には、規模の大小にかかわらず、事前に調査を行い、アスベストの有無を確認する必要があります。2023年10月からは、有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による事前調査が義務付けられることになります。
建築物石綿含有建材調査者には下記3つの種類があります。
・特定建築物石綿含有建材調査者 → 全ての建築物の調査が可能
・一般建築物石綿含有建材調査者 → 全ての建築物の調査が可能
・一戸建て等石綿含有建材調査者 → 一戸建て住宅のみ調査が可能
2020年7月時点では、特定建築物石綿含有建材調査者と一般建築物石綿含有建材調査者の行なう業務に相違点はありません。しかし今後の法改正で、両者が明確に分類される可能性があります。
事前調査は、「設計図等の文書による調査」と「目視による調査」の双方の実施が必要です。
また、事前調査を実施した場合は、調査記録を3年間保管するとともに、調査記録内容を作業場所に掲示する必要があり、一定規模以上の解体工事の場合は、事前調査結果を電子システムで労働基準監督署に報告する必要があります。
事前調査でアスベストが確認された場合、汚染された位置を特定し、作業を行う際に必要な保護措置を講じる義務があります。
労働基準監督署への届出
石綿(アスベスト)を含有する保温材等の除去工事の計画は、2週間前までに労働基準監督署に届け出をする必要があります。また、囲い込み、封じ込め作業を行う場合も同様に、労働基準監督署に届け出なければなりません。
以前は耐火建築物・準耐火建築物の除去作業のみ対象でしたが、法改正によって建築物・工作物・船舶の除去作業、囲い込み、封じ込め作業にまで対象が拡がっています。
アスベスト除去後の残存アスベストの確認
アスベストの除去については、作業員や周辺住民の安全を確保するため、必要な措置を講じた上で実施する義務があります。
アスベストの除去工事が終わった後は、有資格者による除去確認が必要です。完全除去が確認できるまで隔離を解くことが禁じられています。
残存アスベストの確認は、新たに法改正で義務付けされた内容になります。
また、囲い込みおよび封じ込めにおいても、有資格者が目視で正しい措置が実施されていることを確認する必要があります。
もし、石綿含有建材が残っている状態で、改修・改装工事が行われるとアスベストの飛散につながるため、アスベストの完全除去確認は重要な工程となっています。
まとめ
アスベストを含む建物の改修や改装には、厳しい規制への対応が求められます。
法規制は年々強化が進んでおり、複雑になっているので正しく理解を深める必要があります。
建物の改修とリノベーションを実施するにあたって、有資格者による、改修・改装工事の事前調査や、アスベストの除去作業の実施は、非常に重要だといえます。
事前調査やお困りごとがございましたら、是非とも私達「都築ダイヤモンド工業株式会社」までお気軽にご相談ください。