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コラム

施工現場での安心確保:石綿除去作業の確認ポイント

施工現場で最も恐れられるリスクの一つ、それが石綿(アスベスト)です。かつては「夢の建材」として広く使用されていた石綿ですが、今ではその健康被害の深刻さから「沈黙の殺人者」とも呼ばれています。

確実に除去しなければ、作業員や周辺住民にまで被害を及ぼす可能性があるため、慎重な対応が求められます。

しかし、石綿除去作業には複雑な手順や厳しい規制があり、すべてを正しく行うのは簡単ではありません。「本当にこの現場は安全なのか?」そんな不安を抱える施工管理者も少なくないでしょう。

本コラムでは、石綿除去作業の現場で安心を確保するために、具体的にどのようなポイントを確認すべきかを分かりやすく解説します。安全な現場づくりを目指すあなたの一助となる内容ですので、ぜひ最後までお読みください。

石綿除去作業の確認手順と記録管理のポイント

石綿含有建材の除去作業では、元請業者や自主施工者が、作業完了前に確認を行うことが法令で義務付けられています。この確認は、作業計画通りに進められたかどうかを確認し、現場の安全性を確保するために重要なステップです。

確認内容は以下の2点が主なポイントとなります。

  1. 作業計画通りの飛散・ばく露防止措置の実施状況
  2. 作業終了後の石綿取り残しや破片、堆積粉じんの有無

これらの確認結果は、記録したうえで特定工事終了後に3年間保存する必要があります。元請業者の場合は、発注者に確認結果を報告する義務もあり、その報告書の写しも保存が必要です。また、写真やその他の方法で実施状況を記録し、作業の適切性を証明することが重要です。

 

飛散・ばく露防止措置の確認と記録の管理方法

石綿除去作業において、飛散やばく露を防ぐための措置が計画通りに実施されているかを確認することは、元請業者等の大切な責務です。

作業者の安全を守り、周辺環境への影響を最小限に抑えるために欠かせません。これらの確認を行うためには、以下のような手順が求められます。

1.日々の作業記録の作成と保存

日々の作業記録には、作業が行われた日付や場所、実施した作業内容、飛散・ばく露防止措置の具体的な実施状況が含まれます。

例えば、養生の設置状況や作業区域の隔離状況、湿式作業の実施方法などが詳細に記載されています。さらに、使用した機器や資材の種類と数量、作業に従事した作業者の名前と役割、作業終了後の確認内容として石綿の取り残しや粉じんの有無、作業中に発生した問題と対応内容も記録に含める必要があります。

これらの記録は、書面またはデジタル形式で作成されます。ノートやチェックリストに記載する方法のほか、タブレットや専用アプリを使用してデジタルデータとして保存する方法も有効です。

また、作業状況をより具体的に示すために、飛散・ばく露防止措置の様子や作業の進捗を撮影した写真を添付することが推奨されます。記録は作業終了後に責任者が確認し、署名や押印を行うことで信頼性を確保します。

保存については、解体等工事が終了した日から3年間の保管が法律で義務付けられています。保存場所は、事務所内の専用ファイルやクラウドストレージなど、安全に管理できる環境がよいでしょう。デジタルデータの場合はバックアップを確保し、紙媒体の場合はコピーを作成することで、紛失のリスクを軽減できます。

2.現場巡回と記録の確認

現場巡回は、作業の前、中、後の各段階で行われます。作業前には、飛散・ばく露防止措置が計画通りに準備されているかを確認します。s

例えば、作業区域の隔離状況や養生の設置が適切かどうか、湿式作業の準備が整っているかなどがチェックポイントとなります。作業中には、現場の状況を定期的に確認し、計画通りに作業が進行しているかを確認します。

作業終了後には、石綿の取り残しや粉じんの堆積がないこと、飛散防止措置が適切に実施されていることを確認します。

記録の確認も重要なプロセスです。作業者が日々作成した記録には、作業内容や実施した防止措置の詳細が記載されています。

これらの記録を元請業者や責任者が適宜確認することで、作業計画通りに進められているかを確認します。また、記録の内容が正確であるか、写真やデータが適切に添付されているか確認する必要があります。

現場巡回と記録の確認は、ただ形式的に行うのではなく、石綿等に関する知識を有する者が実施することが求められます。

建築物の解体等工事の場合、調査者や石綿作業主任者がこの役割を担います。工作物の解体等工事では、石綿作業主任者がこれに相当します。専門的な知識を持つ作業者が巡回と記録確認を行うことで、作業の安全性と信頼性が一層高まります。

さらに、確認の結果は記録としてまとめて、発注者への報告書作成に活用できます。この報告は遅滞なく行う必要があり、発注者に提出した書面の写しを含め、すべての記録を3年間保存する義務があります。

3.石綿取り残しの確認と記録作成

石綿取り残しの確認作業は、石綿等に関する知識を有する者が実施する必要があります。建築物の解体等工事の場合は調査者や石綿作業主任者が、工作物の解体等工事の場合は石綿作業主任者が実施に当たります。

確認は、除去面を目視で点検し、石綿が取り残されていないことを確認します。取り残しがある場合は、その場で処置を行い、再度確認を実施します。また、封じ込めや囲い込みを行った場合には、飛散防止措置が施されていることも確認対象となります。

確認した結果は、写真や具体的な記述を含む記録として作成します。この記録には、確認を行った日時、確認者の氏名、確認した内容、確認方法、問題が発生した場合の対応内容などが詳細に記載されます。

特に、確認時の写真を添付することで、取り残しがないことを客観的に証明することが可能です。また、記録には確認者の署名や押印をしておくと信頼性が高まります。

記録作成後は、元請業者等がこれらの記録を取りまとめ、発注者への報告書を作成します。この報告書には、確認結果とその証拠資料が含まれます。

発注者への報告は速やかに行い、提出した書面の写しも含めて、記録は3年間保存する義務があります。この保存は、作業後のトラブル防止や監査対応のためにも重要です。

まとめ

石綿除去作業は、現場の安全性を確保するだけでなく、周辺環境や作業者の健康を守るために、計画的かつ適切に実施される必要があります。

そのためには、日々の作業記録の作成と保存、現場巡回と記録の確認、そして石綿取り残しの確認と記録作成というポイントを確実に実行することが重要です。

石綿除去作業は、単なる作業工程の一部ではなく、安全で持続可能な建設現場を実現するための重要な責務です。今回解説した確認ポイントをしっかりと押さえ、確実な実施を心掛けることで、現場の安全性と信頼性を向上させる一助となるでしょう。

 

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