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アスベスト除去プロセスにおける注意点3

アスベストは、かつて建築材料として広く使用されていましたが、健康被害が明らかになって以来、取り扱い作業が厳格に管理されています。

しかし、アスベストの取り扱いは細心の注意を払う必要があり、作業員や周囲の人々に重大なリスクをもたらす危険性があります。

今回は、アスベスト除去プロセスにおける主要な注意点について解説し、安全な除去作業を実現するためのポイントをお伝えします。

1. 除去後の粉じん飛散防止措置

アスベスト除去後、目視では確認できない残存物が作業現場に残ることがあります。これらの残存物は後で飛散すると健康被害を引き起こす可能性があるので、飛散防止策を講じる必要があります。

具体例を挙げると、除去作業が完了した作業場の床に、粉じん飛散防止処理剤を散布することで、取り残されているアスベスト粉塵を固着させることができます。この処置によってアスベスト粉塵の飛散を防ぐことができるのです。

ポイントとしては、取り残しの粉塵が確認がしやすいように、粉じん飛散防止処理剤は無色透明のものを使用することです。透明でない処理剤を使用すると、粉塵などの残留物が視認しづらくなるため、取り残しが起こりやすく、作業の安全性が確保できません。

加えて、アスベスト除去作業の知識と経験を持った担当者が、取り残しがないことを確認することで、対策がより強固なものとなるでしょう。

2. 除去した廃棄物の梱包と作業場からの搬出、保管

除去されたアスベスト廃棄物は、特別管理産業廃棄物として処理しなければなりません。

廃棄物は粉じん飛散抑制剤で安定化の処理をするか、セメントなどで固形化した後、廃棄専用のプラスチック袋に詰め、袋内の空気を完全に抜いてから密封します。

使用する袋は、実寸0.15mm以上の厚みがあり、内容物の特性と取扱注意事項が明記されたものを使用しましょう。

さらに、廃棄専用袋には多量のアスベストが付着していることがあるので、セキュリティゾーンの前で袋の外側を高性能の真空掃除機で清掃するか、濡れ雑巾で拭き取ります。

その後、さらに上から廃棄専用袋で収納することで二重に密封します。作業現場で使用した養生材や資材も同様に二重梱包して、飛散防止の対策とします。

搬出後の保管場所は、他の廃棄物と混同しないように仕切りや囲いを設け、仮囲いで保護するとよいでしょう。

また、保管場所の出入り口には、特別管理産業廃棄物の保管である旨を掲示して、保管場所の管理者の情報を明記します。

保管場所の出入り口は、施錠管理を徹底します。汚水や汚泥が発生した場合には、都度、清掃するなど、漏洩による環境汚染のリスクを避けるため、厳重な管理が必要です。

3. 作業終了前清掃・汚染空気の集じん排気・クリーンな空気へ置換

作業終了時には、現場の清掃と汚染空気の処理が必須です。作業台や足場に堆積したアスベスト繊維を払い落とし、床の清掃を行います。

除去された廃棄物は全て袋詰めし、保管場所へ集積する必要があり、現場内に廃棄物を放置することは禁じられています。清掃後には、隔離シート面に粉じん飛散防止処理剤を散布し、浮遊粉じんの飛散を防ぎます。

集じん・排気装置は、隔離内部の負圧を維持し、作業場内の汚染空気が外部に漏れないように、作業終了後も稼働を続けることが原則です。

作業中断時に装置を停止する際も、最低90分以上の運転を継続して集じんを行い、粉じんの漏洩を防ぎます。装置の停止時には、作業場内の空気状況が外気と同等であることをデジタル粉じん計などで確認する必要があります。

まとめ

今回は、アスベスト除去プロセスにおける注意点の中でも、アスベスト飛散防止にフォーカスして解説してきました。

注意するべきポイントは、以下の3点になります。

1. 除去後の粉じん飛散防止措置
・粉じん飛散防止処理剤を散布して固着させることが必要。
・無色透明の処理剤を使用することで、粉じんの取り残しを確認しやすくなる。

2. 除去した廃棄物の梱包と作業場からの搬出・保管
・除去したアスベスト廃棄物は、専用の厚手の袋に二重に密封する。
・搬出後の保管場所は他の廃棄物と混ざらないように、施錠や掲示で厳重な管理を行う。

3. 作業終了前清掃・汚染空気の集じん排気・クリーンな空気への置換
・作業終了時には、現場の清掃と集じん・排気装置を使った汚染空気の処理が必須。
・清掃後、隔離内部の空気が外部に漏れないよう装置を一定時間稼働させる。

アスベスト除去は専門的かつ細心の注意が必要な作業であり、適切な飛散防止策、廃棄物の取り扱い、清掃と空気管理が不可欠です。

これらの手順を遵守することで、作業現場の安全を確保し、アスベストによる健康被害を未然に防ぐことが可能になります。

除去作業に携わるすべての人がリスクを理解し、適切な手順を踏んで作業を進めることが、環境と人々の安全を守る鍵となるでしょう。

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