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アスベストの種類のついて

 

 

アスベストは天然の繊維状珪酸塩鉱物の総称です。その有害性が明らかになるにつれてアスベストの定義が必要となり、1973年、世界保健機構(WHO)は初めてアスベストの定義を公表しました。1986年には、国際労働機関(ILO)が「石綿の使用における安全に関する条約(第162号)」でアスベストの定義を公表しています。
日本では、2006年に厚生労働省が、石綿を「繊維状を呈しているアクチノライト、アモサイト、アンソフィライト、クリソタイル、クロシドライト、及びトレモライト」と種類を定義しています。アスベストは鉱物学的に大きく「蛇紋石」「角閃石」の2つの鉱物グループに分類され、6つの種類が存在しています。ここではアスベスト各種の特徴を解説していきます。

クリソタイル(白石綿・chrysotile)

6種類のアスベストのなかで一番多く使用されてきたのがクリソタイル(白石綿)です。別名「温石綿」とも呼ばれています。その名前のとおり白色のアスベストで非常に柔らかく、顕微鏡で見ると曲線状にカールしています。蛇紋岩の中にできるので蛇紋岩族アスベストと呼ばれています。

アモサイト(茶石綿・amosite)

アモサイト(茶石綿)は角閃石族に分類され、主に吹付け石綿として使用されてきました。
名前のとおり茶色のアスベストで、各種断熱保温材にも使われていました。
大量に使用されたアモサイトは、南アフリカのトランスバール鉱山で採れたもので、鉱物学的にはグリュネ閃石に属しています。

クロシドライト(青石綿 crocidolite)

アモサイトと共に、吹付け石綿として使用されてきたのが、同じく角閃石族のクロシドライト(青石綿)です。やはり名前のとおり青色のアスベストで、他には石綿セメント高圧管などに使用されてきました。鉱物学的にはリーベック閃石に属しています。
日本で使用されていた主なアスベストは、クリソタイル、アモサイト、クロシドライトの3種類になります。

アンソフィライト石綿 (anthophylite asbestos)

アンソフィライトは北欧等で産出されていたアスベストです。日本国内では過去に熊本県の旧松橋町に鉱山があり、1970年代まで石綿製品製造工場が稼働していたことが確認されています。

トレモライト石綿 (tremolite asbestos)

トレモライトは、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)を含有する単斜晶系の鉱物です。トレモライトの中でもアスベスト特有の細かい繊維状のものが、トレモライト・アスベストと呼ばれています。トレモライト石綿は吹付け石綿として使用されていました。

アクチノライト石綿 (actinolite asbestos)

アクチノライトはトレモライトに似ている鉱物です。トレモライトと同じ単斜晶系で、科学構成が似ています。科学組織の鉄(Fe)が多いものがアクチノライト、少ないものがトレモライトと定義されています。

角閃石族のアスベストは顕微鏡で見ると繊維が直線状になっています。蛇紋石族のアスベストより角閃石族のアスベストの方が発がん性が高いと言われています。

石綿名 鉱物名
蛇紋岩

Serpentines

クリソタイル

白石麺 Chrysotile

クリソタイル

Chrysotile

角閃石

Amphiboles

アモサイト

茶石綿 amosite

グリュネ閃石

grunerite

クロシドライト

青石綿 crocidolite

リーベック閃石

曹閃石 riebeckite

アンソフィライト石綿

anthophylite asbestos

アンソフィライト

直閃石 anthophylite

トレモライト石綿

tremolite asbestos

トレモライト

透閃石 tremolite

アクチノライト石綿

actinolite asbestos

アクチノライト

陽起石 actinolite

参考:HP 独立行政法人 環境再生保全機構

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