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コラム

アスベスト除去工事で知っておきたいRC造とS造の違い

アスベスト除去工事を行うとき、建物の造り方を知っていると作業がとてもスムーズになります。

特に「RC造」と「S造」と呼ばれる2つの構造は、建て方や使われる部材が大きく違います。

そのため、アスベスト(石綿)が使われている場所や量も変わってきます。

このコラムでは、難しい専門用語をできるだけわかりやすく解説しながら、現場で役立つポイントをお伝えします。

初めての方にも理解しやすい内容にまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

RC造とはどんな構造か

RC造は「鉄筋コンクリート造」の略です。柱や梁(はり)、床、壁などを鉄筋で補強しながら、コンクリートを流し込んで固める工法です。

1階分を一度に作るのが一般的で、鉄筋を組み立てて型枠(コンクリートの型)をはめ、コンクリートを一気に流し込みます。

そのため、外壁や床、間仕切り壁が一体になってつながり、隙間ができにくいのが特徴です。エレベーターのシャフトや階段室などの防火を重視する部分も、しっかりつながっていることが多いです。

ただし、外壁をガラスや金属のカーテンウォールで仕上げる場合は、床の端と外壁の間に少し隙間ができる場合があります。

RC造の建物では、昔の設計者の考え方や耐火性能を高めたいという理由で、吹付けアスベストや石綿入りの建材が使われていたケースが目立ちます。

アスベスト除去工事では、表面だけでなく壁の中や天井裏なども丁寧に調べる必要があります。

S造とはどんな構造か

S造は「鉄骨造」の略で、鉄の骨組み(鉄骨)をメインに建てる工法です。

まず鉄骨を組み立て、次に床の部分を作り、その後に外壁や部屋を区切る壁を後から取り付けます。RC造のように一度にコンクリートを流し込むのではなく、部材を順番に組み立てていくイメージです。

この建て方のため、床の端と外壁の間、または壁と床のつなぎ目などに隙間ができやすいのがポイントです。

その隙間を埋めるための耐火材や、鉄骨を守るための被覆材にアスベストが含まれていることがあるのです。

RC造とS造のアスベスト除去で違うところ

RC造とS造は、建て方の違いからアスベストの使われ方や除去のポイントが明確に分かれます。主な違いを以下に解説していきます。

施工の順序と隙間のできやすさ

RC造は柱・梁・床・壁を一度にコンクリートで固める「一体施工」が基本です。そのため、建物全体がしっかりつながり、隙間ができにくい構造になります。

一方、S造は鉄骨を先に立て、床を作った後に外壁や間仕切り壁を後から取り付けるため、床と外壁のつなぎ目や壁と床の境目に隙間が生じやすいのが特徴です。

この隙間を埋める材料にアスベストが使われているケースが多くあります。

耐火被覆の範囲と使用量

RC造では、設計者の判断で吹付けアスベストが天井や壁に使われることが多いものの、全体的に使用範囲は限定的な傾向があります。

これに対し、S造は鉄骨が火に弱いため、柱や梁全体を耐火被覆で保護する必要があります。この耐火被覆に石綿含有建材が広く使われていた事例が目立ちます。

特に注意が必要な場所

RC造はエレベーターシャフトや階段室などのコンクリート部分が一体となっているため、防火区画の調査は比較的わかりやすいです。

一方、S造は外壁にALC壁を使った建物や、工場・倉庫の金属屋根(折板)の裏側に断熱材としてアスベストが使用されていることが多く、屋根裏や機械室などの隠れた部分の確認が欠かせません。

このように、RC造は「一体感のある固い構造」、S造は「部材を組み立てる柔軟な構造」という違いが、アスベスト除去工事の調査範囲や作業の難易度に大きな影響を与えます。

現地調査で気をつけたいポイント

S造の建物は、RC造よりも調査が少し大変になることがあります。

柱や梁、屋根などの主要部分に耐火被覆が施されていて、化粧板や内装で隠れて目視しにくいことがあります。そのような状況を想定して、以下のポイントには特に注意を払って作業しています。

  • 機械室や塔屋など比較的露出している場所を優先的に確認
    内装仕上げが少なく、耐火被覆がそのまま見えている可能性が高いため、最初に重点的に調べます。
  • パイプシャフトの点検口やアクセス可能な開口部を活用
    壁や天井裏を直接覗くことができる貴重なポイントです。内部の配管周辺に被覆材が残っていないか確認します。
  • デジカメ・手鏡・暗渠カメラなどのツールを効果的に使用
    狭い場所や見えにくい角度も撮影・確認することで、目視だけでは見落としやすい箇所を丁寧に調べます。
  • 折板屋根の裏側など、屋根裏の断熱材を忘れずにチェック
    工場や倉庫などでよく見られる箇所で、吹付け材やフェルト状のアスベストが使用されているケースが少なくありません。

上記のポイントを押さえることで、目に見えないアスベストを見逃すリスクを大幅に減らし、安全で効率的な調査が可能となります。

まとめ

今回のポイントは以下のとおりです。

  • RC造は柱・梁・床・壁を一体でコンクリート打ちする構造で、隙間が少なく密閉性が高い。一方、アスベストは設計者の判断で吹付け材として使用されている傾向。
  • S造は鉄骨を先に組み立て、後から外壁や間仕切りを付ける構造で、つなぎ目に隙間ができやすく、耐火被覆の範囲が広い。外壁や屋根裏の確認が特に重要。
  • どちらの構造も、目に見えない場所にアスベスト使用の可能性があるため、丁寧な調査が必要。

アスベスト除去工事は、建物の構造を正しく理解することで安全性と作業効率が大幅に向上します。

RC造とS造の違いを踏まえ、現場に合った計画を立てることで、これからもお客様に安心をお届けできる工事を実現してまいります。

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