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コラム

アスベスト関連法規 石綿障害予防規則2

石綿等の定義および石綿障害予防規則の適用範囲

【引用】
石綿障害予防規則

(定義)
第二条 この省令において「石綿等」とは、労働安全衛生法施行令(以下「令」という。)第六条第二十三号に規定する石綿等をいう。
2 この省令において「所轄労働基準監督署長」とは、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長をいう。
3 この省令において「切断等」とは、切断、破砕、穿せん孔、研磨等をいう。
4 この省令において「石綿分析用試料等」とは、令第六条第二十三号に規定する石綿分析用試料等をいう。

出典:石綿障害予防規則 第2条|e-Gov法令検索

労働安全衛生法施行令

(作業主任者を選任すべき作業)
第六条 法第十四条の政令で定める作業は、次のとおりとする。
(中略)
二十三 石綿若しくは石綿をその重量の〇・一パーセントを超えて含有する製剤その他の物(以下「石綿等」という。)を取り扱う作業(試験研究のため取り扱う作業を除く。)又は石綿等を試験研究のため製造する作業若しくは第十六条第一項第四号イからハまでに掲げる石綿で同号の厚生労働省令で定めるもの若しくはこれらの石綿をその重量の〇・一パーセントを超えて含有する製剤その他の物(以下「石綿分析用試料等」という。)を製造する作業

出典:労働安全衛生法施行令 第6条|e-Gov法令検索

【解説】
労働安全衛生法と石綿障害予防規則の対象となるアスベスト関連物質は、労働安全衛生法に謳われている「石綿若しくは石綿をその重量の〇・一パーセントを超えて含有する製剤その他の物」を指しています。

石綿障害予防規則は、全てのアスベスト関連物質を扱う作業に適用されます。
大気汚染防止法では、建築物や工作物の解体、改造、補修が対象になっていますが、石綿障害予防規則はこれに加えて、船舶(鋼製に限る)の解体作業にも適用範囲となっています。

事前調査および分析調査

事前調査の対象範囲

事前調査は、建築物、工作物、または船舶(鋼製の船舶に限る)の解体、または改修作業を行う際に実施されます。ただし、アスベストの粉じんが発散しないことが明らかである場合は、建築物、工作物、または船舶の解体や改修(封じ込めや囲い込みを含む)に該当しないため、事前調査は必要ありません。
ちなみに、事前調査が該当しない条件については、大気汚染防止法も同様の扱いです。

事前調査では、アスベストなどの有無を確認するため全ての材料に関して、設計図書やその他の文書を確認し、それらが現地での確認と整合しているかを目視で確認します。ここで言う「設計図書」とは、建築物やその他の敷地や工作物に関連する工事用の図面や仕様書を指し、「設計図書等」には、施工記録、維持保全記録、および、発注者からの情報が含まれます。

アスベスト含有の判断方法

事前調査において、対象となる材料がアスベストを使用していないと判断する方法は、以下に示す2つの手法により行います。

1)対象となる材料を特定し、その製品のメーカーが提供する石綿などの使用の有無に関する証明書や成分情報と照合する手法。

2)対象となる材料を特定し、製造年月日が平成18年9月1日以降であること(ガスケットやグランドパッキンについては、それぞれ該当する日以降であること)を確認する手法。

ただし、設計図書に「ノンアスベスト材料等」や「石綿等が使用されていない建材」である旨の記載があっても、労働安全衛生法令におけるアスベスト含有率の規定は、変更されている経緯があるため、製造時点では法令の対象外であったアスベストが、現行の法令においては対象となる場合もあります。そのため、設計図書の記載だけを頼りにしてアスベストが使用されていないと判断することはできません。

アスベストの含有判別がつかない場合

事前調査においてアスベスト使用の有無が確認できなかった場合は、分析調査を行いアスベストの有無を明らかにしなければなりません。ただし、アスベストが使用されているとみなし、それに基づく労働安全衛生法およびその他の命令に従った対策を講じる場合は、分析調査を実施する必要がありません。

このようにアスベストが使用されていると「みなす」ことで、分析にかかる費用を抑えることができます。

事前調査が不要なケース

過去にアスベストの使用の有無に関する調査や同等の調査が実施されている場合は、改めて調査を行う必要はありません。アスベストの製造・使用が禁止された後に着工された建築物については、設計図書などで着工日を確認することで、事前調査を実施したものとみなします。

なお、事前調査が不十分なまま工事が行われたケースがあったことから、建築物に関しては、石綿障害予防規則第3条第4項に基づいて、厚生労働大臣が指定する十分な知識を有する者による事前調査の実施が義務付けられています。

また、アスベストの分析に関しても、知識や技能が十分でない者によって分析が行われた事例があり、事前調査と同様に厚生労働大臣が指定する知識・技能を有する者による分析調査の実施が義務付けられています。

これらの規定は、令和5(2023)年10月1日に施行されています。

調査結果の記録

事業者は、事前調査や分析調査を実施した際には、結果に基づいて作成した記録を3年間保存しなければなりません。保存期間の起算日についてですが、解体等の作業では同一プロジェクトに複数回の事前調査や、分析調査が行われる可能性があります。そのため起算日は、解体等の作業に関連する全ての事前調査が終了した日、または最後に分析調査が終了した日に合わせるとよいでしょう。

なお、3年間の保存期間は、業者の指導において関連書類として使用するためでもありますが、事業者に対してアスベストばく露防止対策の実施を啓蒙するという意味合いも含めて設定されています。

事前調査と分析調査の結果は、従事する労働者が見ることができる場所に掲示し、さらに、作業場に作成された事前調査結果の記録の写しを備え付けなければなりません。

この規定は、労働者がいつでも確認できるようにするためのものです。従って、解体作業の進行中は常に調査結果記録を備え付けておく必要があります。

ポイント

適用範囲:規則は、建築物や工作物の解体、改造、補修の他、鋼製船舶の解体作業も対象
分析調査の必要性:材料がアスベストを含まないと判断するための方法は、メーカーの証明書照合や製造年月日の確認。アスベストの使用の有無が不明な場合、分析調査を行うか、安全対策を講じる。
事前調査:厚生労働大臣が指定する知識を持つ者による事前調査・分析調査の実施が義務付けられている
調査結果の記録:3年間保存。調査結果は、従業員が確認できる場所に掲示し、作業場にも記録の写しを備え付ける

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