アスベスト現地調査は、建物の状況を正確に把握し、安全を確保しながら進める必要があります。調査当日に慌てることなく作業を進めるためには、前日までの準備が鍵となります。
必要な用品や装備を揃える過程で、調査の段取りや手順を改めて確認でき、不足しているものを補う機会にもなります。
現場では、現地での困難な状況をできるだけ想定して用品を整えておくことを大切にしています。今回は、スムーズな調査につなげるための事前準備のポイントを解説していきます。
1. 事前準備で押さえる基本的な考え方
調査をスムーズに進めるには、前日までに必要な用品や装備をしっかり準備しておくことが大切です。事前に調査の流れを頭の中でシュミレーションしておくと、準備を忘れることなく手順の確認も自然にできます。
例えば、試料を入れるビニール袋を忘れてしまうと、粉じんが出たり、試料をなくしたり、記録を間違えたりする可能性があります。
そんな事にならないためにも、現地で起こりそうな困りごとを想像し、必要な品をできるだけ揃えておく必要があります。
準備品は種類が多いので、足りないものや余分なものが出やすくなるため、調査する建物に合わせて必要なものを考え、状況に応じて内容を変えるなど、柔軟に対応します。
必要な用品をあらかじめリストにして、現場に合わせて調整しておくと、当日の無駄を減らせます。
2. 保護具と服装で意識する二つのポイント
調査時の服装で大切なのは「調査作業中だと周囲に伝わること」と「粉じんから自身を保護できること」の二つです。
まず1つ目の、調査作業中だと周囲に伝える工夫としては、「点検」「調査」「巡視」などと書かれた腕章をつけたり、名札を首から下げたりするとよいです。
もちろん安全も大事なので、靴は歩きやすくて滑りにくい運動靴がよく、高い場所での作業がある場合は安全靴と落下を防ぐ器具(原則としてフルハーネス型)の着用が必須です。
2つ目の、粉塵の保護具としては、保護帽・墜落制止用器具・防護服のほか、全面形マスクや半面形マスク、フィルター、保護眼鏡を用意します。
試料を取るときは石綿(アスベスト)を含む可能性があり、近い距離で作業するので、呼吸保護マスクは国家検定に合格したRS-3、またはRL-3の取替え式防じんマスク以上の性能が必要です。
また、視界を広く保ちたい場合は、全面形ではなく半面形のマスクを使用するとよいです。
装備を前日に点検し、きちんと機能するか、装着したときの感触を確かめておくと、より当日安心して作業に臨めます。
3. 試料採取と記録に欠かせない用品の選定
試料採取と記録に必要な用品は以下となります。
これらの用品は、試料を取ってから保管し、記録するまでの作業をスムーズに進めるためには欠かせないものです。
試料を入れるビニール袋は、メモが書けて口をしっかり密閉できる厚手のタイプを選び、大きさの違うものを2〜3種類用意しておくと心強いです。
採取のときに粉じんを抑える霧吹きや湿潤剤、作業後の掃除用具も忘れずに準備し、トレーやピンセットを使って試料を丁寧に扱います。
前日に一つずつ確認しながら袋にまとめ、持ち運びやすい状態にしておくと、現地で取り出すときも便利です。
4. 現場状況を想定した追加用品の準備
基本の用品に加えて、現場の特徴に合わせた追加の準備も大切です。
たとえば、高い場所の場合は脚立などの足場を壊して調べる必要がある場合は、バールやハンマー、小型のサンダーなどを用意しておきます。
狭い場所では手鏡や暗視カメラ、暗い場所では照明が役立ちます。このほか、方位磁石、ルーペ(繊維の有無を簡単に確かめるための虫眼鏡)、計測器(巻き尺・メジャー・レーザー距離計など)、トランシーバーやスマートフォンなども、状況に応じて利用します。
こちらも現地の様子を予測して必要なものを事前にリストアップしておくと、調査中の中断を最小限に抑えられます。
不足しやすいものから優先して揃え、予備も準備しておくと、さまざまな現場に対応しやすくなります。
まとめ
アスベスト現地調査をスムーズに進めるには、前日までの準備を丁寧に行うことが欠かせません。用品や装備を揃える過程で段取りを確認し、現場の状況を想定して過不足を防ぐことが、円滑な調査につながります。
- 保護マスクはRS-3またはRL-3以上を使用し、服装では第三者への表示と自己防衛を両立させる
- ビニール袋は厚肉で密閉・メモ可能なものを2〜3サイズ用意する
- 一般的な採取・清掃・記録用具をリストアップし、現場に合わせて調整する
- 高所・狭所・暗所など特殊な状況を想定し、脚立や照明などの追加用品を準備する
今回のポイントを一つずつ実践することで、調査当日の混乱を減らし、安全で正確な作業を実現しています。当社では、事前の準備を大切にして、信頼される調査を実践してまいります。