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コラム

レントゲン検査とレーダー探査の違い

非破壊検査について

非破壊検査(Non-Destructive inspection)は、材料や構造物の内部を損傷なしに検査する技術です。今回は非破壊検査において、主要な手法であるレントゲン検査とレーダー探査の違いについて解説していきたいと思います。

1,レントゲン検査

レントゲン検査は、X線を使用して物体の内部を見ることができます。物体に照射されたX線は、異なる密度や厚さを持つ部分で異なる程度で吸収され、透過されます。これにより、物体の内部の構造や異常を可視化できます。

レントゲン検査は骨折の診断や医療画像診断に使用されますが、非破壊検査としても使用されます。例えば、溶接部の欠陥や材料の内部のクラックなどを検出するのに利用されます。

レントゲン検査にはさまざまな手法があり、コンクリートの分野でも幅広く使われています。主な利用目的は、肉眼では見えない内部の性質を確認することであり、コンクリートの場合は異常部の発見や鉄筋・埋設配管などの位置計測等が挙げられます。

検査結果は、建造物の健全性や耐久性を評価するデータとして活用されます。ここでは、レントゲン検査が実際どのように利用されているかに焦点を当てて説明します。

レントゲン検査の用途

1)医療診断

・骨折や異常の診断
医療分野では、主に骨折や内部組織の異常を診断するために使用されます。例えば、スポーツの怪我や事故による骨折の検出に役立ちます。

2)産業・工業分野

・欠陥の検出
レントゲン検査は製造業で広く使用され、金属製品や溶接部分、鋳造品などの欠陥や不良部分を検出します。これにより製品の品質管理が向上し、耐久性が確保されます。
・構造物の評価
建築や構造物の検査にも応用され、コンクリートの内部におけるクラックや異常部分の確認が可能です。これにより、建物や橋梁などの健全性を確保できます。

3)非破壊検査

・内部構造の透視
物体の外部からX線を照射し、透過したX線を検出することで、内部構造を透視できます。これにより、目に見えない部分の検査が可能となります。
・材料の異常検出
レントゲン検査は非破壊的な手法でありながら、材料内部の異常や欠陥を高精度で検出できます。これは材料の劣化や変形の早期発見に寄与します。

レントゲン検査のメリット・デメリット

高い正確度、確実性

レントゲン画像は内部構造を撮影フィルムで視認できるので、微細な構造や小さな欠陥を視覚的に捉えることができます。これは品質検査において有効です。

検査可能なシーンが限定的

コンクリートの厚みが大きい(300mmを超える)ものや、撮影フィルムが設置できない場合は、レントゲン検査は実施できません。

費用が高額

レーダー探査と比べて手間がかかり機器も高価なため、検査費用が高額になる傾向にあります。

2,レーダー探査

コンクリート構造物内の鉄筋や電気配線などを非破壊試験する手段の一つとして、レーダー探査があります。この手法は、配筋の状態などを広範囲にかつ手軽に素早く測定することが可能です。以下では、レーダー探査の原理や、具体的な測定の例について説明します。

レーダー探査では、電磁波(通常はマイクロ波)を使用して物体の位置や動きを検出します。この技術は、送信された電磁波が物体に当たり、その反射を検知することで物体の存在や位置を特定します。

レーダーは非破壊検査の分野では、建築物の構造の評価や地中のパイプラインの検査、コンクリートの中の埋め込まれた補強材の評価などに使用されます。また、航空機や車両の検査にも応用されています。

レーダー探査の用途

1)建築構造の評価

・クラックや劣化の検出
レーダー探査は建物や橋梁などの構造物において、コンクリート内のクラックや劣化部分を非侵襲的に検出するのに使用されます。これにより、構造物の健全性を評価できます。

2)構造物内や地中の物体探知

・パイプやケーブルの位置特定
構造物内や地中の物体(パイプやケーブルなど)を探知し、その位置を特定することができます。これは建設現場や地下施設の管理において役立っています。

3)航空機や船舶の検査

・機体や船体の構造評価
航空機や船舶の外部構造の劣化や損傷を検出し、これによって安全性や耐久性の確保が可能です。

レーダー探査のメリット・デメリット

レントゲン検査と比較して探査できるものが多い
レントゲンでは測定できないものでも解析可能です。レーダー探査はコンクリートの表面にレーダー探査機を当て、電磁波の反射によって内部構造物を探査できます。
解析の時間が早くレントゲン検査より安価
レントゲンのようにフィルムの現像が不要なので、解析の時間が短くて済みます。また費用もレントゲン検査と比較すると安価な傾向にある。
精度はレントゲン検査に劣る
レーダー探査は金属に強く反応する傾向があり、一定の精度での探査ができない場合があります。精度を求めるならレントゲン検査の方が良いでしょう。

まとめ

・レントゲン検査とレーダー探査は非破壊検査の分野で重要な位置を占めており、それぞれが異なる特性を持つ。

・レントゲン検査とレーダー探査の選択は、目的や対象の条件に合わせて検討するとよい。
・レントゲン検査は、費用が高くシーンは限定的であるが、高い精度を求める検査に向いている。

・レーダー探査は、精度はレントゲン検査に劣るものの幅広く探査可能で、解析スピードも早く、広範囲で簡易的な物体位置の特定に向いている。

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