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コラム

石綿曝露によって生じる石綿関連疾患

石綿の健康影響について

アスベスト(石綿)曝露によって引き起こされる疾患に代表的なものとして、石綿肺、肺がん、中皮腫、良性石綿胸水(石綿胸膜炎)、胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)、びまん性胸膜肥厚の6つがあります。このコラムではこれらの石綿関連疾患について解説していきます。

石綿肺

石綿肺は、アスベストの吸入により起こるじん肺の一種です。建築、造船、石綿製造業、鉱山・トンネルの採掘などの業務に従事した作業者に発症しており、アスベストの健康被害として早くから注目されている疾患です。吸入したアスベストが肺組織に刺激を与え、炎症を起こして線維化することで固くなり、肺機能障害を起こします。石綿肺はアスベスト曝露がなくなってからも進行することが確認されています。初期症状は咳と疲労感で、進行するとわずかな動作で息切れや呼吸困難に陥ります。

肺がん

肺がんは、肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞に発生する腫瘍です。進行する過程で組織を破壊しながら増殖を繰り返し、血液の流れに乗って転移する危険性もあります。潜伏期間は30〜40年と非常に長く、アスベストの曝露が多いほど、肺がんの発生率が上昇します。肺がんは喫煙などアスベスト以外の要因でも発症することがあり、潜伏期間も長いためアスベスト起因の肺がんを識別することは非常に困難です。発症要因としては喫煙が一番高いとされていて、喫煙とアスベスト曝露が相乗的に肺がんの発生率を高くすることが知られています。

中皮腫

中皮腫は、臓器を覆う膜および、その下層の組織から発生する悪性腫瘍です。潜伏期間は非常に長く、アスベスト曝露から20〜50年とされています。治療で完治させることが困難な疾患で、診断から1〜2年以内に死亡するケースが多い悪性疾患です。中皮腫発生の約8割はアスベスト起因とされており、近年発生している中皮腫は、ほぼアスベストが原因だと考えられています。中皮腫は、石綿肺や肺がんと比較して少ない曝露量でも発症します。また石綿の種類によっても発症率に差があることも知られており、クロシドライトの発症率が最も高く、次いでアモサイト、クリソタイルの順に発症率が低くなっています。

良性石綿胸水(石綿胸膜炎)

良性石綿胸水は、アスベスト曝露によって生じる胸腔内に非悪性の水(胸水)が溜まる症状です。胸水はアスベスト以外の要因でも発生することもあり、診断によって識別する必要があります。発症するのは曝露してから10〜40年後で、経過観察中に悪性細胞が認められることもあるので注意が必要です。

胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)

胸膜プラークは、胸膜(両肺の表面をおおう薄い膜)や横隔膜に生じる、両側性の不規則な白板上の肥厚です。肺側胸膜との癒着を伴わない良性疾患であり、致命的ではなく肺機能障害もありません。胸膜プラークはアスベスト曝露によってのみ発生する症状で、曝露しているかどうかの指標となります。つまり、胸膜プラークが認められた場合、アスベスト曝露の疑いが濃厚なので、詳細な診断を受けることが推奨されます。

びまん性胸膜肥厚

びまん性胸膜肥厚は、胸膜が炎症によって繊維化し肥厚する疾患です。胸膜プラークが肺側胸膜との癒着を伴わないのに対して、びまん性胸膜肥厚は肺側胸膜との癒着を伴う病変です。 胸膜の線維化が広がると、肺の表面が肥厚することで硬くなり膨張しなくなります。 その影響で肺機能が低下し、呼吸困難などの症状が生じます。びまん性胸膜肥厚は、必ずしもアスベスト曝露によって発症するものではなく、細菌性膿胸、結核性胸膜炎、 膠原病、薬剤性線維性胸膜炎、放射線治療後、 外傷性血胸後、悪性腫瘍などの影響によって発症することもあり、診断によって鑑別することが重要です。

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